2010年01月09日

非国民読書年

えー、2010年が始まって、早くも10日が経とうとしています。
日本史上初の「国民読書年」のうち、すでに36分の1くらいが終わってしまった、ということです。
この10日の間に、待ちに待った国民読書年の到来を寿ぐさまざまな国民読書活動が各地で開催されていたことでしょう。
たとえば、
・国民読書新年会
・国民読書餅つき大会
・国民読書百人一首大会
・国民読書出初め式
・国民読書七草粥
といった、胸躍るステキイベントが行われたに違いないのですが、すべて見逃しました。がっかりです。

といった妄言はさておき、しかし結局のところ、国民読書年って、いったい何やるんですかねえ。
何だかよくわからぬままに、まあ2010年までにいろいろ具体的なことが決まるでしょ、と思っていたら、ありゃー、もうその2010年じゃないのよ。
いまだに実態がよくわからぬなんて、どういうことよ!
関連キャラ「ヨミネエ」の知名度も、上がらないままだし‥‥。
と、早くも失敗感濃厚という気もするんだけど、いや、待てよ待て。
実態がよくわからぬなんて、思ってるのは私だけかもしれない。
案外、文部科学省とか経済産業省とかそっちの方では、ちゃっちゃ、ちゃっちゃといろんなことが取り決められて、次から次へと実効性のある施策が執り行われているのかもしれません。
不振にあえぐ中小出版社への公的資金注入とか。
地方の零細書店への戸別所得補償制度とか。
読書家のための毎月1万2,000円の読書手当とか。
とりあえず今年1年だけの時限措置とはいえ、思わぬ恩恵にあずかって、
「国民読書年バンザーイ!」
と喜んでいる人は、いっぱいいるのかもしれません。

が、待てよ待て。
たしかに、かような国家による支援は嬉しいことかもしれません。
しかしながら、物事には必ず裏があり、光あるところに影があるのです。
国家のお金は、ひも付きなのが当たり前。
公的資金の投入で、所得補償をしてやろう、そのかわり‥‥。
ということに、必ずなる。
公的資金を受け入れる以上は、国家による口出しを覚悟せねばなりません。
すなわち、政府のおめがねにかなわない本は、売ってはならん、ということです。
国民読書年だ、ワーイ、などとうかれているうちに、実は水面下では、国家的な読書統制が静かに始まっているのかもしれないのです。

ところで、そうして国家によって本屋さんから排除され、弾圧される本とは、どんな本か。
えーと、いまどき、無政府主義とか天皇制転覆とかいっても、
「だから何?」
という感じだしなあ‥‥。
やはり、あれか、児童ポルノ関連か。
ということで、まずはいわゆる成年コミック誌、成年コミック単行本の、とりわけ小中学生以下の女の子(もしくは男の子)を題材にしたものが標的となるわけです。昨年、きっちり廃案になった児童ポルノ禁止法改正案が、あらためて現実のものになる。
で、どうなるかというと、国民読書年のワッペンを胸につけた国民読書憲兵などが一軒一軒本屋さんを回るわけです。
そうして、国民読書年の精神に抵触するロリなコミックを見つけては、
「ええい、貴様、こんなものを売って、日本国民として恥ずかしくないのか!」
と、押収、処分。
本屋さんの店頭から、あっという間に、あれとかあれとかあれとか(具体的な雑誌名を検索しようかと思ったのだけど、うっかりamazonで開いてしまって、しばらく同様のエッチマンガが「おすすめ」されるとやや困る気がするのでやめました)が消えていくのです。
で、当初は業者のみを対象としていたはずが、なし崩し的に、所得補償とは関係ない個人も対象となっていき、いきなり国民読書憲兵が来訪しては、
「これから、貴様の本棚の査察を行う!」
と強制的な蔵書チェックを行うことになります。
もちろん、国民読書年の精神に反する図書が一冊でも見つかれば、
「ええい、貴様、それでも日本国民か!」
と、没収のうえ、袋叩き。
多くの主婦などは溜飲を下げるかもしれませんが、表現の自由の灯は消えます。

が、しかし、すべての国民が黙ってそれに従うとは思えません。
必ず、立ち上がる者がいることでしょう。
「それでも、我はこれを読むのだ!」
と。
「これを読んでは日本国民として恥ずかしいというのなら、ええい、我は国民でなくともよい! 今日から非国民になる!」
と。
そんなわけで、ここに同好のロリ読者、じゃなかった反国民読書の志士たちが集まり、
「これからは非国民読書年だ!」
と気勢を上げることになります。
そして、彼らは地下に潜伏し、ゲリラとなって非合法な非国民読書活動を繰り広げます。
たとえば、地下室で深夜、ロリコミックの読書会を開催したり、読書憲兵を襲撃してロリコミックが詰まった書庫に一昼夜監禁したりする。
政府は、これら非国民読書活動に対し、
「国家に対する反逆の徒め! 見つけたら即刻通報せよ! 通報した者には金一封!」
などと弾圧を加えるわけですが、しかし弾圧されればされるほど、非国民読書活動の志士たちは力強く結束し、彼らの風貌はますます精悍になっていくのです。
そして、やがて‥‥。
ある夜、あなたが帰宅すると、門の脇の茂みに潜んでいた青年がのっそりと立ち上がり、その逞しい体躯を街灯の明かりにさらけ出しながら、あなたに向かって莞爾と笑って、
「やあ、君、我らが同士となりたまえ! 非国民読書活動により、非道な国家に立ち向かおうではないか!」
と、一冊のロリコミックを差し出してきたら、どうするか。
それでもあえて国家の犬に甘んじるか、あるいは反骨のロリ戦士として目覚めるか、微妙な選択です。


posted by 清太郎 at 18:01| Comment(5) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
現れたのが筋骨隆隆の青年戦士ではなく、
物凄く可愛い美少女で、本を差し出しながらか細い声で「お兄ちゃん、一緒にご本読も?」などと言ったら、フラフラついて行くかも知れません。
いや、決してロリコンなわけではありませんが。

一応、「ヨミネエ」をグーグル画像検索すると、
このブログ以外にもチラホラとヨミネエ画像が!!
……と言っても、見つかったのは2枚だけで、
しかもそのうち1枚はこのブログに触発されたもので、
もう1枚もその絵に触発されたようですが。
考えようによっては清太郎さん、ブームの火付け役ですよ!
Posted by 黄黒真直 at 2010年01月09日 23:08
はじめまして。
どことなく図書館戦争思い出しました。
Posted by だるま屋 at 2010年01月10日 01:32
黄黒真直さんのコメントにあるように、これからの地下活動のリーダーは美少女戦士に委ねるべきでしょう。
そうなると、我も我もと地下に潜ることになって、地下人口が膨れあがります。山田さんのご主人も鈴木部長さんも最近、姿を見せないと思ったら、みんな地下に潜って鼻の下を伸ばしています。
日本は、世界初の二階建て国家になります。だからどうしたなどと言ってはいけません。私も、どうオチをつけていいか、この先の展開に困っています。
やはり、ここは、政府側が国防婦人会を組織して、割烹着の色香で、山田さんや鈴木さんを地上に誘い出すことにしましょうか。
Posted by すずめの巣 at 2010年01月10日 04:51
2010年、日本がタイヘンなことに!(笑)

じみーに、たまにテレビCMで国民読書年、ってやってるのを見ますが、だからどう、ってのは全然わかりませんね。
ヨミネエもわかりません。。。
本屋さんとかいってもこれといって目立つポスターなんかもないような。。。
やっぱり読書って、国民ナントカっていわれてあおられるより、個人的とかごく少数で、うひひひと楽しむもののような気がします。(私だけ?)
Posted by シキ at 2010年01月10日 10:32
黄黒さん。
それはしかし、非国民読書活動というよりも、むしろシンプルな非合法活動のような気がしますが‥‥(^^; 国民読書憲兵ではなく、ふつうの警察に摘発されそうです。
ヨミネエは、少しだけ広まったみたいですね。しかし、イベントのマスコットとしては、まだまだゴミのよう。めざせ、ひこにゃん、せんとくん。

だるま屋さん。
はじめまして。
そうですね、こうやって憲兵みたいなのが暴力的に図書の帰省をするのは、図書館戦争や華氏451度の世界‥‥、と思っていると、案外身近に迫っていたりするのです。

すずめの巣さん。
そんなわけで、美少女戦士は言論と関係ないレベルで取り締まられてしまうので、山田さんも鈴木さんも地下にもぐることはなく、日本も二階建てにならずに平屋国家のままです。残念。
しかし国防婦人会はいいですね。ロリコミックを取り締まるなら、たしかに国民読書憲兵よりも読書国防婦人の方が現実味があります(むしろリアルすぎる)。割烹着でたすきがけにして、
「この非国民めー!」
と、手にしたホウキでバシバシ袋叩きにするの。

シキさん。
国民読書年も、けっきょくのところ、個人的とかごく少数で、「国民読書年だ、うひひひ」と楽しんでオシマイのような気がします。
とりあえず、世界的な電子書籍化推進の流れに何とか対応しないと、国民読書年の年に世界読書から置き去りにされそう‥‥。
Posted by 清太郎 at 2010年01月11日 09:15
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