2011年01月10日

今年の恋愛運を本にたとえると‥‥

えー、新年明けましてからすでに10日が経っておりますが、皆様、お元気でしょうか。
何事もなかったかのように2010年は過ぎ去り、ということはつまり国民読書年なんてものがあったんだかなかったんだかもうよくわからないことになっており、電子書籍元年だった昨年に続き、今年は、
「電子書籍暦2年」
ということになります。書籍の電子化はますます加速しつつ進行する、ということです。

書籍の電子化、ということについて、おおかたの人は、間違った認識をもっています。
「電子化って、つまり、紙じゃなくて、携帯端末とかで本を読むことになるってことでしょ」
と、思っているあなた、それは、間違いです。
少なくとも、電子化という事象のごく一部を見ているにすぎません。実際の電子化とは、書籍を何で読むかなどといったメディアの枠内におさまるものではありません。
電子化とは、書籍が紙の本から解放されることであり、電子の海に流れる無限の情報の中へと拡散することであり、その無限の情報との相互作用を可能にすることなのです。
もはや本とは、ただ読むだけのものではない。情報の流れの中で、ほかのさまざまな物事と結びつくようになったのです。

‥‥などといっても、なんか難しくてよくわからん、という人がいるかもしれないので、具体的な例を示すと、たとえば、
「占い」
なんてどうでしょうか。
古来、占いといえば占星術とか手相とか亀甲とかタロットとか水晶とか花びらとか名前の画数とか動物とかが一般的でしたが、これからは、
「本占い」
なんてものが可能となります。なにしろ、本は電子化によって、世界中の情報とつながってるわけですからね。無限ともいえるその情報を通じて、あなたの運勢を占うことなんて、簡単至極、お手の物。伝統以外にろくな根拠がない(あるいは伝統すらない)そんじょそこらの占いよりも、よほど信頼できるはずです。

ということで、ためしにつくってみました。
「本で占う今年の恋愛運@twitter」
今年のあなたの恋愛運を、本にたとえると‥‥。
(別にtwitterをやってなくても占えます。)

ちなみに私の恋愛運を本にたとえると、
「坂の上の雲(司馬遼太郎) ロシア人とのおつきあいはおすすめしません。幼馴染が吉。」
だそうです。

posted by 清太郎 at 21:49| Comment(8) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月23日

2010読書界しょんぼり番付

えー、そんなわけで、「2010読書界番付」に続きまして、恒例の「読書界しょんぼり番付」です。
今年、読書界で最もしょんぼりだったのは‥‥、などともったいぶらなくてもおわかりでしょうが、横綱は、例のアレです。
大関以下は、いろいろ異論があるでしょうが、まあ「読書界番付」以上に、私の趣味と独断によるランキングですので、そのあたりはご了承ください。


読書界しょんぼり番付

西
国民読書年 横綱 東京都青少年健全育成条例改正
電子書籍 大関 ホーガン死去
俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 関脇 スイングジャーナル休刊
理論社破綻 小結 山田美妙

以下、解説。

■横綱
国民読書年
東京都青少年健全育成条例改正

鳴り物入りで始まった(わけでもないか)国民読書年、当初の見積もりでは、これのおかげで国民はもう本読みまくり、本買いまくり。本の読みすぎで経済は停滞し、でも出版社と取次と本屋さんはガハガハのウハウハ、出版市場は空前絶後の3兆円の大台に乗り、図書館も利用されまくって司書さん過労死、国民読書年関連のマスコットキャラ「ヨミネエ」は大ブレイクし、キャラクターグッズも売れに売れ、来春にはアニメ化決定、紅白にも出場! ということになるはずでしたが、えー、結果は、ご覧のとおり。予想の中で当たったのは、経済が停滞したことくらい。
っていうか、もう今さら誰も(まあ、おそらく一部の図書館関係者を除けば)、今年が国民読書年だったなんて、覚えていないし。国民読書年の国会決議をした議員さんも、すっかり忘れてることでしょう。
たぶん、いちばんいい落としどころは、
「みんな忘れてるんだし、国民読書年なんて、なかったことにすっか」
というあたりだと思います。
「えー、それでいいんですか!?」
と憤る人もいるかもしれないけど、でも、律儀に総括して、
「国民読書年は失敗でした」
とかいうよりも、なかったことにしたほうが、もう1回できるし(「やだ、何言ってるの、国民読書年は2010年じゃないわよー、2011年よー」と、しれっとした顔で言えば、たぶんみんな「あ、そういえば、そうだっけ」と信じると思う)、前向きでいいと思います。

12月15日、『KAGEROU』の発売日に、東京都議会本会議では、反社会的で過激な性描写のあるマンガを子どもに売らないよう規制する「青少年健全育成条例改正案」を可決しました。「非実在青少年」という文言はありませんが、まあ春に一度否決された案の焼き直しね。
作家はもちろん、ネットの住民や文化人、出版社も大反対で、東京国際アニメフェアへの参加を拒否したりしてます。
詳しい経緯はさておき、この条例の問題は、
「マンガは子どもが読むものである」
という前提に立ってるところだと思います。マンガが子どもしか読まないものであれば、そりゃもちろん、たとえ子どもの成長にとってときには汚れたもの・危ないものも必要だ、という意見があるとしても、やっぱり性暴力とか、含めるべきではないでしょう。
でも、実際のところ、ずいぶん前から、マンガってぜんぜん子どもだけのものじゃないし、そのあたりのことを、わかってるんだかわかってないんだか、とにかくちゃんと議論しないままに、成立しちゃったことが残念です。
っていうか、「マンガは子どもが読むものである」とか言っておきながら、「クールジャパンでコンテンツ輸出でウハウハしよう」などというところが、どうにもいやらしい気がします。 あと、問題点としては、性暴力と近親相姦が同レベルで扱われてること。これって、ぜんぜん同じレベルじゃないでしょう。よくわからん‥‥。

■大関
電子書籍
ホーガン死去

あれ? 電子書籍って、「読書界番付」のほうの横綱じゃなかったっけ?
と思う人も多いでしょうけど、電子書籍は、「読書界番付」上位であると同時に「しょんぼり」の上位でもあると思います。
だって、読書界を大いに賑わせたといわれる電子書籍ではありますが、結局のところ、「電子書籍だ、わー、タイヘンだ!」などと騒いでいるのは、おそらく、出版社と取次、一部の書店、一部の図書館関係者、それと一部の新しもの好きくらいで、多くの書店にとっては電子書籍だろうが何だろうが売り上げは右肩下がりだし、多くの図書館関係者にとっては電子書籍云々以前に司書の待遇改善しろとか図書購入費増やせとか議論すべきことは山積みだし、そして一般の読者にとっては、今のところ日本で出てる電子書籍は、紙の本に比べて、ぜんぜん魅力的じゃないんだもの。
本というのは、「売りもの」であると同時に「読むもの」なのであって、今年の「電子書籍元年」は「売りもの」としての電子書籍にとっては元年だった(そして「読書界番付」の横綱だった)のかもしれないけれど、「読むもの」としては残念ながらいまだ紀元前、夜明け前、「しょんぼり番付」上位確定、だったように思います。
個人的にも、これまでのところの電子書籍ブームに対しては、「要するに、電子書籍で儲けようと思ってるだけでしょ」と、なんだか白けた気分。
思うに、たとえば、部屋にいくつも本棚があるような本好きにとって、電子書籍の魅力はやっぱり「容積ゼロ」ということですよね。床に山と積まれた本を見ながら「これが全部電子書籍になったら、どれだけ家の中がすっきりすることか」と、何年か前に電子書籍のことを初めて聞いたとき、心ときめいた人は多いでしょう。
しかし、たとえ容積ゼロで保存できたとしても、それが「3年経ったら、読めなくなるかも」なんて代物だとしたら、とてもではないけれど使う気にはなりません。
本というのは、まあ音楽もそうなんだろうけど、1冊買って、読んで、あるいは読みさしのまま、あるいは読まずに、そのまま本棚の奥にしまいこんで、いつしか10年とか20年とか経って、その間一度も開いたことはなく、でもたとえば何か考え事をしているときに(ブログのネタとかね)、本棚をつらつら眺めていて、その10年以上前に買った本の背表紙がチラと目に入って、ハッと思いついて、手にとってパラパラめくり、あー、そうだ! とか何とか、そんな使われ方をするものです。読んで終わり、じゃないのね。
電子書籍には、もちろん使い勝手のよさも充実したラインナップも必要だけど、まずはやっぱり、この先ずっと使えます、10年後も20年後もその時代の端末でパッと読めます、という、そんな保証、安心感が不可欠だと思うんですよね。
もちろん紙の本だって、買って本棚に並べるばかりではなくて、さっと読んで古本屋さんに売っちゃったり、図書館で借りたり、という本もいっぱいありますが、だからといって、自分でお金を出して買った電子書籍が、いつの間にか読めなくなっていてもいいよー、ぜんぜん平気、という人は、あんまりいないんじゃないでしょうか。
とはいうものの、そんなこと言ってるのは一部の本好きだけで、世の多くの人にとっては、
「え? 何、そんなこと考えてるの? バカじゃないの? 本なんてテキトーに読み捨てればいいでしょ。何こだわってんの。キモー。ウケルwww」
ということなのかもしれないけど‥‥。

えーと、大関のもう一方、ホーガンというのはSF作家、ジェイムズ・P・ホーガンです。『断絶への航海』とかの人。
今年もいろんな作家が死にました。主だったところを挙げると、
・ロバート・B・パーカー(1月)
・北森鴻(1月)
・サリンジャー(1月)
・立松和平(2月)
・清水一行(3月)
・井上ひさし(4月)
・サラマーゴ(6月)
・つかこうへい(7月)
・ミラン・クンデラ(あのクンデラかと思ったら、あのクンデラのいとこでした)(8月)
・三浦哲郎(8月)
・佐野洋子(11月)
これらいろんな逝去作家を代表して、ホーガンが大関です。
まあ人によっては、
「ちょ、ちょっと、代表がホーガンって何、サリンジャーに決まってるでしょ!」
「いや、井上ひさし」
「ていうか、佐野洋子」
と、異論は多々あると思いますが、まあ、そういう方は、ご自分で番付をつくってください。

■関脇
俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長
スイングジャーナル休刊

今年は、というか今年も、なのかどうかよくわかんないけど、盗作騒ぎが話題になりました。秋には、新人賞に選ばれた詩が盗作だったことが発覚しました、それよりも注目は、第16回電撃小説大賞最終選考作だったのに自主回収・絶版になっちゃった『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』。
タイトルからしてスクラッチビルド、というかコピペっぽいのですが、内容も先行作品との類似表現があまりに多すぎました。
まあでも、どうせ読者も、どこかで読んだことあるような似たような作品ばかり読みたがってるんでしょうけどね‥‥。

さて、今年もいろんな雑誌が休刊になりました。
・スコラ
・ハイファッション
・銀花
・NAVI
などなど。とはいっても、昨年ほどではないですよね。とりあえず休刊ラッシュは落ち着いたんでしょうか。
そんな休刊雑誌を代表して、ジャズ専門誌のスイングジャーナル。7月号が最終号になりました。
これを取り上げたのは、特に思い入れがあるからというわけではなくて、この雑誌が休刊した後、むしろジャズって静かにブームになってるらしいから。「女子ジャズ」とかいって、初心者の女子向けのCDが売れたりしてるみたいだし。
まあ、だからといって、休刊しないでもうちょっとがんばってればよかった、ということではなくて、たぶん「スイングジャーナル」的なジャズの紹介っていうが、もういらなくなっていたってことなんでしょうけど‥‥。しょんぼり‥‥。

■小結
理論社破綻
山田美妙

一昨年、草思社が経営破綻したときには、これから出版社が続々倒産するのでは!? と、みんな青くなりましたが、どこも苦しいとはいえ、ネームバリューのある出版社の倒産って、そんなにあるわけじゃないのね。
そんな中、今年、頭ひとつ抜け出した(?)のが、理論社でした。
理論社っていったら、森絵都の『カラフル』。経営破綻とか民事再生法とかとは無縁のイメージでしたが、内情はタイヘンだったのねー。とりあえず、BS11デジタルを運営する日本BS放送が子会社化することになりました。

しょんぼり番付の最後は、山田美妙。
って、えーと、それ、何? 山田ってことは、人名? 人? 作家? 女子? ヤマダミ・タエちゃん?
という人が多いことでしょう。
もちろん作家です。男です。ヤマダ・ビミョウ。今年、没後百年を迎えた明治の文人。
今年2010年は、トルストイ、O・ヘンリ、マーク・トウェインなんかの没後百年でしたが、日本では大して話題にもなりませんでしたね。
山田美妙も、
「言文一致の先駆者は美妙だ! 二葉亭四迷よりもスゴイぞ!!」
と、没後百年を機にあらためてスポットが当たるかと思いきや、ぜんぜんそんなことにはなりませんでした。しょんぼり‥‥。

ということで、以上、今年のしょんぼりでした。
まあでも総じて、年間売上が2兆円を割り込んで衰退の一途を辿る出版界といいつつも、こうしてまとめてみると、思ったほどのしょんぼりではない1年だった、という気がします。
来年は何かいいことあるといいですね‥‥。


posted by 清太郎 at 22:02| Comment(5) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月19日

2010読書界番付

はわわー。
ぼんやりしていたら、いつの間にかもう12月半ばではございませんか。2010年も残すところわずか2週間ですのよ! 奥様!
ということで年末恒例企画、今年も「読書界番付」をまとめてみたいと思います。
これまで同様、
「どれだけ売れたか、だけではなく、話題性やインパクトの大きさ、将来性、私の個人的趣味といった各要素を勘案したうえで」
順位付けしています。ご意見・ご要望がございましたら、どうぞお寄せください。

ていうか、えーと、この企画もさすがに何年もやってると、飽きてくるんですけど。上の文章も、これまでのもののコピペだし‥‥。
とはいえ、これをやっておかないと、前の年に何があったのかとか、すぐ忘れちゃうんだよねー。最近は、今読んでる本の前に何読んでたかも定かでないし‥‥。(これまでのものは、こちら。→200720082009
ということで、「2010読書界番付」です。
当初の予定では、今年はもう何といっても「国民読書年」! これに尽きる! 国民読書年のおかげで国民は本読みまくり! 本売れまくり! 出版市場規模は3兆円に! ということになるはずで、当然ながら東の横綱には国民読書年が君臨! のはずでしたが、さて、結果はどうだったか‥‥。


読書界番付

西
電子書籍 横綱 もしドラ
ONE PIECE 大関 鋼の錬金術師
ドラッカー 関脇 サンデル教授
非実在青少年 小結 iPad
KAGEROU 前頭1 ノルウェイの森
池上彰 同2 ゲゲゲ
はやぶさ本 同3 坂本龍馬本
GLOW 同4 冲方丁
フリー 同5 ミホちゃん

以下、さらっと解説です。

■横綱
電子書籍
もしドラ

出版界にとって、2010年は「何年」だったかといえば、「国民読書年」ではなく、「電子書籍元年」だったといえるでしょう。
もちろん、「何度目の“元年”だよ、ケッ」という見方もありますが、去年の今頃は「なんとなく電子書籍化への『風が吹いてきた』ような気がしますが、どうなることやら」などという状況だったことを思うと、確かに「元年」にふさわしい年だったように思えます。
ということで、昨年は期待を込めて横綱に据えた電子書籍が、今年は堂々の正横綱です。
ちなみに、現在の主な電子書籍店(いい呼び方はないのかしら)は、

・TSUTAYA GALAPAGOS
 専用端末GALAPAGOSで利用可。
 シャープ、CCCによるサービス。電子書籍はCCCが調達。
・Reader Store
 ソニーの専用端末Readerで利用可。パソコンを通さないとダウンロードできない。
 ソニー、KDDI、凸版印刷、朝日新聞の4社連合「ブックリスタ」が取次として電子書籍を卸す。
 老舗の電子書籍店パピレスからもReader向けに1万5,000冊を販売。
・honto
 大日本印刷が従来の電子書籍店「ウェブの書斎」をリニューアル。
 パソコンとiPhone/iPadに対応。
 大日本印刷はNTTドコモは共同事業「トゥ・ディファクト(2Dfact)」を設立しており、2011年1月からは「honto」をベースにドコモ端末のAndroid向けに電子書籍店をオープン。
・BOOK☆WALKER
 角川書店グループが運営。
 iPhone/iPad向けに、ライトノベルやコミックなど角川グループの電子書籍を提供。
・紀伊國屋書店Book Web Plus
 紀伊國屋書店によるオンライン電子書籍店。
 とりあえずはパソコン向けのみ。iPhone/iPad、Android版は開店予定・開発中。
・Kindle Store
 12月には日本版キンドルストアがオープン!?と噂されてたけど、今までのところ音沙汰なし。来年に期待。
・Google eBookstore
 GoogleがAndroid、iPhone/iPadなど複数のプラットフォーム向けに配信。
 スキャンした1200万冊(だっけ)のうち、パブリックドメインを中心とした300万冊のラインナップ。
 とりあえず日本での和書ストアは未定。

といったところでしょうか。
私はXperiaユーザーなので、来年1月のAndroid版「honto」が少し気になりますが、本命はもちろんKindle日本版です。
あ、電子書籍関連では、自分で本を断裁してスキャンしてPDF化する「自炊」も流行りましたよね。

えーと、横綱のもう一方は、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(ダイヤモンド社)です。
昨年末に刊行されて、今年7月に100万部を突破、電子書籍版も好調(10万ダウンロード以上だとか)で、書籍版・電子版あわせて200万部を超えました。
思いつきのネタとしてなら誰もが考えてそうなアイデアから、一定以上のレベルで本にした、まさに著者と出版社の勝利でしょう。来年にはNHKでアニメ化、さらに前田敦子主演で映画化も決まり、もう向かうところ敵なしです。
もちろん類似本もいっぱい出て、
・「金欠の高校生がバフェットから『お金持ちになる方法』を学んだら」(PHP研究所)
・「もし、かけだしカウンセラーが経営コンサルタントになったら」(出版文化社)
・「もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら」(イカロス出版)
・「もしONE PIECEファンの女子大生が起業したら」(イーグルパブリシング)
・「もし無機物が人間になって恋をしたら」(リブレ出版)
などがあるのですが、しかし個人的にはどっちかというと、
・「もしクラスのいじめ問題を解決したい14歳中学生女子(学級委員長)がロールズの『正義論』を読んだら」
・「もし実はエッチなことに興味津々の14歳中学生女子(学級委員長)がフーコーの『性の歴史』を読んだら」
といった方面を期待しております。人文系の出版社には、来年、がんばってもらいたいと思います。

■大関
ONE PIECE
鋼の錬金術師

昨年の番付で関脇だったONE PIECEが、今年もまた、そしてランクアップして番付に登場。
今年は、ジャンプで4週間の休載の後、2年後の「新章」に突入し、60巻は国内の出版史上最高となる初版発行340万部を記録、累計部数はついに2億部を突破しました。
夏には、神保町で「神保町 ONE PIECE カーニバル」が開催されましたよね。
まさに国民的マンガ! なんだけど、私、最初のほうしか読んでないので、あんまし興味ないです‥‥。

一方のハガレンは、9年にわたる連載がついに完結。個人的には、ONE PIECEよりもこっちの方が気になります。
雑誌「ユリイカ」の12月号もハガレン特集でした。

■関脇
ドラッカー
サンデル教授

「もしドラ」のおかげで、『マネジメント』の著者である経営学の巨人、ドラッカー本人もブームになりました。 たぶん「もしドラ」を読んでから『マネジメント』を手に取った人も大勢いるだろうし、入門書をはじめとするドラッカー本もいっぱい出ました。
先の見えない混迷の時代、とりあえず基本に立ち返る、という意味では、いいブームだと思います。

サンデル教授は、NHKの「ハーバード白熱教室」で話題になり、その講義をもとにした著書『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房)がベストセラーになりました。
サンデル教授は来日して東大とかで講義し、その講義もまた本になり、もうウハウハ。「正義」がにわかに注目のキーワードとなり、ロールズ『正義論』の改訂版も、漬物石の代わりになりそうな巨大本なのに、一応それなりに売れてるように見えます(この手の本のわりには)。
こちらも、講義のおもしろさもさることながら、格差や貧困が話題になる現代日本で、「ところで、正義って何よ?」ということを考えるきっかけになる、いいブームだと思います。(しかし、あくまで考えるきっかけを与えるものなのであって、答えが書いてあるわけではない、ということを理解してない人も多い気がする。)

■小結
非実在青少年
iPad

今年のマンガ業界で話題になったのは、規制をめぐる問題でしょう。
その象徴ともいえる言葉が、この「非実在青少年」。「東京都青少年の健全な育成に関する条例(東京都青少年保護条例)改正案」に登場する言葉です。
「年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下、非実在青少年という)」
というのね。この言葉、ネットでも大いに流行しました。
こんな改正案が通ったら文化が滅ぶ! と漫画家や出版社が大反対して一度はポシャりましたが、石原慎太郎都知事の主導のもと、「非実在青少年」という言葉自体は削除されたものの、形を変えた条例が今月に入って成立しちゃったことは、周知の通りです。

今回、電子書籍が横綱になりましたが、それが可能になったのも、iPadが出たから、といっても過言ではないでしょう。
iPad自体は別に電子書籍専用端末ではありませんが、カラーで、動画もミックスされて、するするストレスなく読める、というiPadで読める電子書籍は、まさに「本の未来」という感じで、大きなインパクトを与えました。
実際、今、どのくらいの人がどれだけiPadで電子書籍読んでるのか、よくわかんないんだけどね‥‥。

■前頭1枚目
KAGEROU
ノルウェイの森

都青少年健全育成条例改正案が可決されたちょうどその日に発売されたのが、水嶋ヒロ、というか斎藤智裕のデビュー作にしてポプラ社小説大賞受賞作『KAGEROU』です。
水嶋ヒロが、素性を明かさず本名で応募した作品が受賞、しかも『1Q84』のように発売前はストーリーが伏せられていたとあって大いに話題に。予約注文で43万部、発売2日で68万部という大ヒットとなりました。 肝心の中身は、素人くさいとか、やっぱ出来レースだったんじゃないのとか、全体的に辛口評価みたいなんですが(最初のほう読んだけど、まあたしかに文章はいかにも素人くさい)、しかし、こういう場合にありがちな「ぜったい泣ける! 感動ストーリー!」みたいな感じじゃないらしい、というだけで、私は評価しています。そのうちちゃんと読もう。

で、今年前半には『1Q84』の「BOOK3」が出た村上春樹ですが、しかし注目はやはり1Q84よりも、ついに映画化された「ノルウェイの森」ですよね。
トライ・アン・ユン監督の映画は、ひたすら美しくて、なんかイメージフィルムっぽいという印象もあるみたいですが、まあとりあえず、それよりも、そろそろ『ノルウェイの森』くらい読まなきゃ‥‥、というのが個人としての感想です。

■前頭2枚目
池上彰
ゲゲゲ

「もしドラ」もそうなんだけど、
「なーんだ、みんな、結局わかってなかったのか。やっぱり、わかりやすく説明してほしいだね」
と思ったのが、池上彰ブームでした。NHKの週刊こどもニュースから「わかりやすく説明してくれる人」として注目されるようになったこの人、『伝える力』(PHP ビジネス新書、2007)あたりで書き手としてブレイクしましたが、今年も『<わかりやすさ>の勉強法』(講談社現代新書)とか、『池上彰の学べるニュース』シリーズ(海竜社)とか、あれこれ出て、最近では本屋さんに池上彰コーナーもできてますよね。

「ゲゲゲの〜」は今年の流行語大賞になりましたね。NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」で、ゲゲゲ関連本(というのか?)も売れました。

■前頭3枚目
はやぶさ本
坂本龍馬本

今年は、ワールドカップでベスト16とかノーベル賞受賞とか、経済以外で「日本もけっこうやるじゃん」と多くの国民が思った年でしたが、中でもマニアックな話題を呼んだのが、小惑星「いとかわ」から帰還した「はやぶさ」でしたよね。関連本も続々と刊行されました。
・『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』山根 一眞、マガジンハウス
・『はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話』川口 淳一郎、宝島社
など、思わず熱く擬人化したくなっちゃうことも特徴でした。

一方で、NHK大河ドラマ「龍馬伝」もそれなりに話題になり、やっぱり関連本続出。
岩波文庫から、『汗血千里の駒―坂本龍馬君之伝』(坂崎紫瀾)が出てたのが印象的でしたが、
・『人生が驚くほど変わる 龍馬脳のススメ』茂木健一郎、主婦と生活社
は、ちょっと微妙でした。何よ、龍馬脳って‥‥。

■前頭4枚目
GLOW
冲方丁

雑誌不振の中、今年も「sweet」を筆頭に宝島社の付録付き雑誌が好調でしたが、1つ挙げるとすれば「GLOW」です。「40代女子」向けの雑誌として、10月に創刊されました。銀座で女性400人に天然ルビーを配布、というキャンペーンも話題になりましたね。

今年の直木賞と芥川賞受賞作を、皆さん、覚えてますか。
2010年度上半期の芥川賞「乙女の密告」はわりと話題になりましたが、直木賞の中島京子は、作品のよさに比べて話題性は微妙(『冠・婚・葬・祭』とか『FUTON』とか、おすすめですよ!)、2009年度下半期の直木賞だった佐々木譲と白石一文なんて、ベテラン作家だけど、「あれ? この人たちが直木賞だったんだっけ?」って感じです。
それに比べると冲方丁の本屋大賞受賞作『天地明察』は大きな話題になりました。
日本SFファンと一部のアニメ好き以外にとっては「誰これ? おきかたちょう?」という程度の知名度だったと思いますが、本作のおかげで、一般の本好きにもそれなりに知られるようになったと思います。あ、名前の読み方は、「うぶかた・とう」ね。
ちなみに『天地明察』は、関さんが実は女子!という展開をずっと期待しながら読んだので、個人的にはがっかりな内容でした。

■前頭5枚目
フリー
ミホちゃん

電子書籍のよって、出版のあり方も少しずつ変化してきているようです。
その象徴ともいえるのが、昨年11月に出た『フリー〜〈無料〉からお金を生みだす新戦略』でした。発行と同時に電子書籍版を無料配布という思い切った試みによって、本の売上につなげ、半年で18万部という堂々のヒット。「フリーミアム」という言葉も話題になりました。

ミホちゃん、といっても、「誰それ?」と、ピンとこない人がほとんどでしょうが、コボちゃんの妹です。
読売新聞連載の四コママンガ「コボちゃん」が今年は連載1万回を迎え、ついにコボちゃんに妹が誕生。田畑家にとって、今年はターニングポイント(?)ともいえる年になりました。

と、以上が今年の「読書界番付」でした。
今年もいろいろあったんだねー。
って、あれ? 「国民読書年」がないんですけど‥‥。
ということで、次回の、これも恒例、「読書界しょんぼり番付」をお楽しみに!


posted by 清太郎 at 07:59| Comment(3) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月04日

量子書籍

えー、2010年、またの名を国民読書年、じゃなかった(国民読書年なんて、もう誰もおぼえちゃいないよね)電子書籍元年もいよいよ大詰めとなってまいりまして、村上龍とかが独自で電子書籍制作販売会社を設立したり、こんどの10日にはTSUTAYA GALAPAGOSがオープンしたり(3年後くらいに端末ともどもなくなってるかもしれないサービスにどれだけお金を出せるか微妙だけど)、いよいよKindleの日本版サービスが始まるらしいと噂されてたりと、電子書籍界隈は日々大賑わいなんですが……。
しかし、一読者として、なんか、もう、どうでもいいんだよねー。
電子書籍電子書籍って、騒いでるわりには、何も変わってないじゃん。
いまだに新刊の新書がぜんぶ電子書籍で読めるわけでもないし。
電子書籍か紙の本かでいまだに議論してたりとか。
結局のところ、読者のことなんて、ぜんぜん考えてないじゃん。
ていうかさー。
電子書籍ってあれだけ騒いでて、それが何? 流行語大賞にノミネートすらされてないしwww いいザマwww
っていうか、なんかさー、もうホトホト、あきれたっていうか。
バカじゃないの?
だいたいねー、そもそも、電子って、いまどき、どうよ!?
電子書籍とかいって、さも新しいみたいなこといってるけど、電子よ、デ・ン・シ!
電子なんて、しょせん、20世紀の産物じゃん?
電子戦隊デンジマンなんて、1980年よ!
それを、この21世紀になって、電子書籍スゴイとか電子書籍ヤバイとか、マジそう思ってるわけ?
電子とか、いまどき、ありえなくない?
今なら、せめて、量子じゃない?
新しいっていうんなら、「量子書籍」くらい言ってよねー。

というわけで、われわれ真の読書人としては、電子書籍ではなく、むしろ量子書籍に着目せねばならないのである。
電子書籍と違って、量子書籍は、本当にスゴイ。
なにしろ量子なんである。量子。
量子といえば、
「シュレディンガーの猫」
である。量子の世界では、よくわかんないけど、猫は死んでる状態と生きてる状態の重ね合わせなんである。
ということは、である。
『吾輩は猫である』の猫は、読み始めるまでは、中の猫は死んでる状態と生きてる状態の重ね合わせ、ということなんである。
読んでみるまで、吾輩の猫は死んでるか生きてるかわかんない、というか、死んでいてかつ生きているんである。
でもって、読み始めたとたん、
「吾輩は、死んでいる。完」
ということにもなるのである。あるいはまた、物語の最後で猫が水に溺れることもなく、延々と生き続け、猫の物語も延々と続き、ついには苦沙弥先生のほうが先に逝去、ということもありうるのである。

いや、『吾輩は猫である』に限ったことではないし、また生き死にに関わることばかりではない。
たとえば、ポオ「黒猫」の猫は壁の中に死体と一緒に塗りこめられないかもしれず(だから、完全犯罪が成立する)、『夏への扉』のピートは家中を回って「夏への扉」を探さないかもしれなくて(だから、タイトルが『夏への扉』じゃなくなる)、小沼丹『白と黒の猫』の猫は大寺さんのところにやって来ないかもしれず(こちらもタイトル変更)、多和田葉子「ころびねこ」のコチトラは知らない間に入れ替わってるかどうかさらに不明になり、内田百ケン『ノラや』のノラはある日突然いなくなったりしないかもしれず、グーグーだって猫であるかどうか怪しいものになり、ていうか、猫以前にむしろ、「吾輩は河馬である」とか、そういうことになってるかもしれず、もうとにかく、よくわからないことになってしまうんである。
しかも、である。
それは一回限りのことではない。
読むたびに、読み始めるたびに、その何やらよくわからぬことが起きるのである。
さらにさらに、それは、あなたと私とではまったく別のものになる。
同じ作品をもとにしながら、昨日私が読んだのは手に汗握る冒険活劇の『吾輩はパンダである』であったのに、今日あなたが読むのは紅涙絞る悲恋ドラマ『吾輩はモモンガである』ということにもなるのである。
ということは、である。
ああ!!
そう、そうなのである。
量子書籍、というこの書籍の臨界点において、おお、神よ照覧あれ、文学はついに、テキストの呪縛から解き放たれるのである!!
口承文芸から文字に書かれた文学へという転換にともない、作者の書いたテキストという牢獄に閉じ込められて久しい文学が、嗚呼、再び、自由を手にするときが到来したのである!
おお! ついに文学は、無限の可能性を手に入れることができるのである!!
量子書籍において、文学は、まったく新たな段階へと、進化を遂げるのだ!!

ということで、以上のことからわかるように、新時代の量子書籍の登場によって、文学はまったく新しい地平へと飛翔し、大きな変革を遂げますが、実質的には、量子書籍のフォーマットで出版されるのは、ごく一部の作品にかぎられるでしょう。
多くのエンターテインメント、とりわけ殺人事件の解決を楽しむようなミステリなどは、量子書籍で出版することは難しいはずです(殺人事件が起こらないかもしれないから)。
小説以外の多くの実用書、専門書も、量子書籍では扱えません。
そんなわけで量子書籍は、書籍の最先端を行くものであるにもかかわらず、紙の本とじゅうぶん共存できるのです。
電子書籍と違って、本屋さんも出版社も取次もひと安心。
出版界の皆さんは、電子書籍なんかにかかずらってないで、はやいとこ量子書籍化を考えるべきでしょう。
そして来年を、記念すべき、
「量子書籍元年」
とするのです!!


ちなみに、最も量子書籍化にふさわしくないものが、
「かわいい子猫の写真集」
であることは、言うまでもありません。

posted by 清太郎 at 09:18| Comment(4) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月14日

ドクメン

えー、なんというか、申し訳ないんですが、実に久しぶりの更新です。
実は死んでたとか、ブログ飽きたとか、記憶喪失になってたとか、牢獄に入ってたとか、特に理由はないのですが、気がついたら、すっかり放置してましたね‥‥。読者の皆さん、ごめんなさい。

まあとにかく、何事もなかったかのように、今日の話題。
えーと、年末も近くなりまして、先日、今年の流行語大賞のノミネート語が発表されました。
われらが「国民読書年」が入ってないのは残念ながら当然のことですが、それどころか、出版界周辺でさんざん話題になった「電子書籍」すら、影も形も見えません。
世間一般において、電子書籍なんて、別にどうでもいい、あってもなくてもいいようなものなのね‥‥。しょぼん‥‥。

で、「電子書籍」の入っていないこの60のノミネート語の中のひとつに、「イクメン」というのがあります。
育児する男子、ですね。
育児する男子はカッコイイ! お父さん、ジャンジャン育休とろうよ! ということで、厚生労働省のお墨付きで「イクメンプロジェクト」なんてのもあったりして、この言葉は、まあそれなりに人口に膾炙しました(少なくとも、「電子書籍」以上に、ということらしいです)。父親の育休自体は、たいして増えてないんだけどね‥‥。
ちなみに、米国ニューヨークでは、育児するお父さんたちは「SAHD(stay-at-home dad)」なんて自称して、ネットワークを広げているんだとか。

さて、こうしてイクメンが流行るのであれば、われらが読書界も、いつまでも黙っているわけにはいきません。
イクメンにあやかって、
「ドクメン」
を流行らせようではありませんか!
ドクメン、もちろん、「読書する男子」です。読書する男子はカッコイイ! みんなもっと本読もうぜ! ということです。
厚生労働省の代わりに文部科学省あたりにバックアップしてもらって、「ドクメンプロジェクト」を立ち上げてもいいでしょう。
猿真似だろうと二番煎じだろうと、どうだっていい。ジリ貧の出版界としては、再起をかけて、使えるものは何でも使わねばならないのです。(まあ伝統的に出版界は、猿真似と二番煎じが得意とされていますが‥‥。)

で、そのドクメンプロジェクトでは、具体的に何をするか。
イクメンプロジェクトに倣うと、次のようなものが考えられます。
・ドクメン登録募集
・ドクメンサポーター登録募集
・ドクメンプロジェクト公式Twitter
・トークショー「ドクメンフォーラム」の開催
・ドクメンシンポジウムの開催

‥‥。
地味だ‥‥。
なんというか、地味すぎです‥‥。
この程度の内容では、「読書する男子はカッコイイ! みんなもっと本を読もうぜ!」なんてことに、なるはずがありません。(本家のイクメンプロジェクトのほうでも、このプロジェクトを通して世間の趨勢が「育児する男子はカッコイイ! お父さん、ジャンジャン育休とろうよ!」ということになっていません。)

ドクメンプロジェクトにおいては、もっとガツンとインパクトのある施策を行う必要があるでしょう。
では、何をすればいいのか。
出版界の利点は、自らが情報発信主体であることです。
イクメンプロジェクトがいくらがんばっても、マスコミが取り上げなければ大した話題にもなりませんが(インターネット万能のこのご時世でさえ、です)、出版界はそのマスコミの一翼をなすのです。
ドクメンプロジェクトでは、雑誌や書籍を総動員して、ドクメン普及キャンペーンを展開してはどうでしょうか。
たとえば、「アンアン」の特集では、ズバリ、
「ドクメン100」
「年下のドクメン」
「ドクメンノカラダ」
「ドクメンダイエット」
「最強ドクメン占い」
と、月に1度はドクメン絡みにする。
「Pen」や「BRUTUS」あたりでも、
「ドクメンカルチャー」
「ニッポンのドクメン」
「男のドクメン」
「女もドクメン」
などと、ドクメン大特集。
これらカルチャー方面だけでなく、「週刊ダイヤモンド」や「週刊東洋経済」でも、
「ドクメンマーケティング」
「本当に強いドクメンランキング」
「ドクメン超活用法」
「ドクメン仕事術」
と、ドクメンで攻めます。
もちろん、特集ばかりでなく、「SPA!」には「どくめんず・うぉ〜か〜」、女性誌には「鏡リュウジのドクメン星占い」などと、毎号の連載コーナーにも、ドクメン進出。

さらにさらに攻勢は続き、
「『1Q84』最終巻、最後の鍵を握るのはドクメン」
「『バクマン。』のタイトルは、来週から『ドクマン。』に変更します」
「東野圭吾の最新刊! 主人公はドクメン探偵!」
「『ONE PIECE』のルフィの父ちゃんは、実はドクメンだった!」
「こち亀の両さんもドクメン」
「島耕作もドクメン」
「コボちゃんもドクメン」
ということにして、もし文部科学省からドクメンプロジェクトへの助成金がおりたなら、出版以外の周辺分野にも乗り出して、
「ドクメン時計開発」
「ドクメンカレー発売」
「ドクメンホストクラブ運営」
「サッカー日本代表とドクメン契約」
「ドクメン議員擁立」
などということになれば、まあいくらなんでも、少なくとも、
「へー、今、ドクメンが流行りなのか」
ということにはなるでしょう。流行語大賞のノミネート語にもなる。

イクメンの場合は、流行だからといって、
「じゃ、俺もいっちょ、今日から育児するか」
というわけにはなかなかいかないのですが、ドクメンなら簡単です。今日から本を読めば、誰でもドクメンになれます。
ドクメンプロジェクトに惑わされた男が、十人に一人でも、ドクメンを気取って本を買うようになれば、もう出版界はウハウハ、ドクメン万歳、プロジェクト大成功、ということになるのですが‥‥。

まあしかし、出版界にここまでやる気概があるなら、とっくの昔に「国民読書年」で実行してますよね‥‥。
「『ONE PIECE』連載再開! 新章突入! 2年後は‥‥国民読書年だった!」
ということに、なってますよね‥‥。


posted by 清太郎 at 19:49| Comment(6) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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