2008年04月29日

【本】イタリアでうっかりプロ野球選手になっちゃいました(八木虎造)



仕事に疲れたプロカメラマンの筆者が、一年くらいイタリアにでも行って地中海の下でのんびり過ごしてやろうとシチリア島のパレルモに行って、でも言葉ぜんぜんわかんないし友達いないし、どんどん引きこもりになっちゃって、テレビ見てたらアテネでオリンピックで、思い立ってアテネに出かけてみて、毎日ひたすら野球を見続けて、考えてみれば子どものときからずっと野球漬けで、大人になっても草野球のチームに入っていた僕、イタリアでもさがせば草野球チームくらいあるはずだ、と思ってシチリアに戻ってチームを探したら、なんだかよくわかんないけど事務所みたいなのがすぐ近所にあるので行って「野球がしたいんです!」と伝えたら、いきなりテストを受けさせられて、草野球のくせにいっちょまえにテストなんかするのかよ、と思い、でもちゃんと合格して、チームのメンバーは陽気ないいやつばかりで、シーズンが残り少なかったから7試合しか出場できなかったんだけど、まあそれなりに活躍できて、いやあおもしろかったなあ、と思っていたら最後に給料を渡されて(120ユーロだけなんだけど)、給料って、つまり、その、
「僕はプロ野球選手だったんだ……」
というイタリアでの日々をつづった(ここまでが第1章ね)、まさにタイトルそのまんまの一冊。

冒頭のブルーな気分もどこへやら、チームに入ってからはひたすら前向きで輝いていて、なんだかそういうのを見せ付けられるのはつらいかも、という面もあるにせよ、なんとも楽しく素敵で、うーん、野球って、いいなあ。
ということは、さておき。

野球に興味のないかたにも、ぜひチェックしておいてほしいのが、チームのスポンサーの娘、バレリアちゃん17歳(眼鏡っ娘)。
超がつくほど日本マニアの彼女なんだけど、シチリアには日本人なんて滅多にいない。初めて日本人(著者)に会えるとあって、狂喜乱舞、思いっきり緊張して、著者相手に日本語で挨拶した第一声が、
「こ……こんにちは……オレはバレリアだ」
日本アニメオタクのバレリアちゃんは、
《イタリアで放送されているアニメをビデオにとる。そしてそれの日本語版のDVD、もしくは動画を何とかして手に入れ、その2つを同時に観ながら言葉を勉強するそうだ。》
「のだめカンタービレ」ののだめと同じことやってます。
《そして今一番のお気に入り教材は「ONE PIECE」だそうだ。あぁ、それで「オレはバレリアだ」なのか!》
ああ、バレリアちゃん、たまりません。

そんなバレリアちゃんの夢のひとつが、アニメのキャラたちがおいしそうに頬張っている“白い玉”をいつか食べてみたい、ということ。おにぎりです。
その夢を、著者がかなえてあげました。台所でほかほかごはんに塩を振って握り、ツナマヨを具にして、
《三角形に整えて、海苔を貼ってあげた。彼女はそれを見た瞬間、絶叫した。
「ママ、パパ、おにぎりーーー!!!!!!!!」
 おにぎりを手にしたバレリアは、両親がいる離れまで、それを見せに激走した。
「もったいなくて食べられない……」
 もはや涙目、いやホントに泣いてる!》
バレリアちゃん、素敵すぎます。思わず彼女のファンになってしまいました。

【こんな人におすすめ】
・草野球チームに入ってる人
・アニメファンの人
・純朴なアニオタの眼鏡っ娘に萌えたい人
posted by 清太郎 at 09:21| Comment(5) | TrackBack(0) | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 うわっ、間違いなくツボだ。
 今すぐ購入です。うちでも告知しなくちゃ。いや〜、ひさびさに会心の当たりの予感です。
Posted by 樽井 at 2008年04月29日 10:29
草野球やっていなくて、アニメファンじゃなくて、めがねっ娘萌えじゃなくても、読みたくなりました。
Posted by すずめの巣 at 2008年04月29日 22:35
樽井さん。
バレリアちゃんはちょっとしか出てきませんが、野球の話だけでもじゅうぶん楽しいです。ホント、おすすめ。

すずめの巣さん。
ほかにも、「ぼくの名前を漢字で書いてください」とあちこちで頼まれたりして、日本人がめずらしい地域での日本人の話としても、純粋におもしろいです。シチリアって、遠いのね。
Posted by 清太郎 at 2008年04月30日 06:51
やっとこさ、最後まで読みましたが大満足の一冊でした。いや、いい本紹介いただきました。
Posted by 樽井 at 2008年05月31日 21:53
樽井さん。
眼鏡っ娘のバレリアちゃんもいいですが、出てくる男たちがまた陽気で気さくで助平で、なんとも素敵なイタリア人、なんですよね。それもいい。まさに「なんて気持ちのよい連中だろう」という感じです。
Posted by 清太郎 at 2008年06月01日 23:16
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