2007年11月18日
[本]ゲッチョ先生の卵探検記(盛口満)
生き物エッセイの書き手として、いま日本でイチバンなのは誰か? というと、養老孟司やら日高敏隆やら奥本大三郎やらといった名前があがってくるかもしれないけれど、私が偏愛・敬愛してるのが、このゲッチョ先生こと盛口満。
以前は埼玉県飯能市にある自由の森学園の生物学教師として、いまは沖縄のNPO学校の講師やら何やらとして、生徒たちと一緒になって、ケモノの死体を拾って鍋で煮て骨をとったり、冬虫夏草を探したり、ネコジャラシでポップコーンをつくったり、ドングリを拾ったり、いろんなゴキブリを追い求めたり。大所高所から知識を語るんじゃなくて、とりあえず自分で外に出かけて這いつくばって、拾って触って絵に描いて、ときには食べてみて、自分でナマの知識を得る。ドーキンスみたいなスマートなエッセイもいいけれど、このちょっと垢抜けない感じの泥臭さが、むふう、もう、たまらんのですわ。著作を読むたびに、うわー、この先生の生徒になりたかった!と思わずにはいられない。
そんなゲッチョ先生の今回のテーマが見てのとおり「卵」で、いきなりダチョウの卵を茹でて食べたり、エミューの卵も食べたり(ダチョウと比べてどっちがおいしかったでしょうか?)、オオカマキリの卵(卵を包んでいる卵鞘)も食べたり、チョウザメの卵も食べたり(キャビアのことです)、マムシの卵(マムシは胎生だけどおなかの中に卵がある)を食べた話を聞いたり(ヘビの卵には白身がないんだって)、ヤエヤマアオガエルの卵を食べた話を聞いたり、いや、食べてばかりではないんだけど、鳥に始まって魚やヘビやカエルや昆虫のいろんな卵を見ていくうちに、進化のことも気になってきます。
なのだけれど、全体としては、いつもより「地べたを這いずり回り」感が少ないのがちょっと食い足りないかも。「探検」とかいうわりには、なんだかふつうに理科の授業をそのまま本にしました、という感じなのよね。とはいえ、まあ十分に理科ゴコロが刺激されて、興奮してしまうのだけど‥‥。
【こんな人におすすめ】
・考えるより先に行動しちゃうタイプ。
・あ、でもむしろ、いろいろ考えちゃってなかなか行動に移せないタイプの人にすすめたいかも。
・引きこもり中の人とか。
【こんな人におすすめしません】
・盛口満の本を読んだことない人。未読のかたには、「骨の学校」(木魂社)、「冬虫夏草の謎」(どうぶつ社)、「わっ、ゴキブリだ!」(どうぶつ社)といったあたりをまずおすすめしたい。
この記事へのトラックバック



しかし先に他の本を読まないといけないのですね;;
ゴキブリ恐怖症なので「骨の学校」か「冬虫夏草の謎」から攻めてみたいと思います。
いいですよー。「わっ、ゴキブリだ!」は、全国の各種ゴキブリの豪華カラー口絵付き!ですよ(^^)
盛口満、1月にはジュンク堂のトークセッションに出るというので、ぜひ行かねば!と思ってます。