2007年11月16日

文庫トレード

プロ野球はシーズンオフ。ドラフトの行方、FA選手がどうなるのか、スポーツニュースが気になる季節となりました。余剰選手を放出して、かわりに弱い分野の補強をしたり、実績のある選手1人と若手だけど将来有望株の選手2、3人を交換したり‥‥。こういうの、本でも応用できないかしら。

たとえば宮部みゆきは、新潮文庫が赤で光文社文庫がえんじ色、講談社文庫が朱色、文春が黄色で創元推理文庫がクリーム色。司馬遼太郎は講談社が緑で文春文庫は黄色、新潮文庫は、えーと、何色っていうのか微妙な色(苔色?)。「全部同じ文庫に入っていたら、きれいになるのに」と自分の本棚を眺めながら嘆息をもらしているファンは、少なくないことでしょう。
ビジネス分野でM&Aが当たり前のものとなり、さまざまな面におけるフレキシビリティがますます求められている今、各文庫間における作家・作品のトレード、そろそろこれを導入する時機ではあるまいか。

「ノルウェイの森」をはじめ村上春樹の代表作を揃えている講談社文庫は、ぜひとも新潮文庫の「海辺のカフカ」も手に入れたいはずです。文庫間のトレードが解禁されたら早速、あんまり講談社文庫っぽくない、むしろ新潮文庫に入っていてもよさそうな、たとえば帚木蓬生「アフリカの蹄」など一式およびいしいしんじ「プラネタリウムのふたご」と、この「海辺のカフカ」をトレードしませんか、と持ちかけることでしょう。対して新潮文庫側は、「海辺のカフカ」なんてビッグタイトルを手放すんだから、
「それなら『五体不満足』も付けてくんなきゃ」
などと要求したりする。講談社文庫は、
「いや、ちょっと、それはさすがに。では町田康を一式つけますから」
などと再提案したりして、この交渉プロセスが逐一報じられれば、春樹ファンならずとも、なかなかの興奮です。
「いやあ、あそこは町田康じゃないだろう、むしろ大江健三郎だ」
などとプロ野球のストーブリーグさながら、居酒屋で本好きが議論のネタにするのは必定。これまで新潮文庫版を持っていたファンも「あらためて講談社文庫版を買わねば」などと、文庫の売上にも直結します。話題性を高めるために、トレード解禁期間を年に1度、1カ月間くらいに限定する、というのもいいですね。
「今期注目の大型トレード! 山本周五郎、新潮文庫から流出か!?」
なんてことが、シーズンが近くなるとヒソカにささやかれるようになったりして、ファンとしては、もうワクワクドキドキです。

そうして、たとえば村上春樹や宮部みゆきなど、数社に散らばっていた作品がひとつの文庫にまとまって、全部揃ったところで、ドーン! 一挙に価格2倍!などということになると、「モノポリー」みたいでおもしろいですね(おもしろくないって!)。
posted by 清太郎 at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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