2007年05月08日

覆面作家の覆面剥ぎデスマッチ

昨日の記事の最後にちょっと書いた「覆面」で思いついたのだけど、覆面といえばタイガーマスクを持ちだすまでもなく、
「覆面剥ぎデスマッチ」
ですよね。隠されるほど見たくなり、覆面をかぶっていたら剥ぎ取りたくなるのが人のサガ。負けたら覆面を剥がれ、本当の顔を白日のもとにさらすのだ!という覆面剥ぎデスマッチに、興奮しない人はいません。

ところで、本業界にも覆面、いますよね。いわゆる覆面作家。今ではオッサンであることが知れ渡ってしまった北村薫も当初は覆面作家として「どんな美女がこの作品を書いているのか」とウブな読書家中学生の心をいたずらにもてあそんだものですし、古くはジョージ・エリオットとか、あるいはジェイムズ・ティプトリー・ジュニアなど男性名の女性作家、ヤスミナ・カドラのような女性名の男性作家もいます。覆面書評家の狐、というのもいました。最近の覆面作家の代表格は、舞城王太郎でしょうか。

そんな覆面作家が、自らの正体をかけて誌上で競う、
「覆面作家の覆面剥ぎデスマッチ」
が実現したら、これはもう、ファンならずとも本好きなら注目しないではいられないはずです。二人の覆面作家がひとつの媒体に1作品ずつ、これぞという入魂の新作を発表し、審査員が評定(単純に、読者投票でもいいかな)。敗者は次号、あるいは次々号で、これまで秘め隠していた素顔はもちろん、子ども時代の写真や住まい、仕事場や本棚、引き出しの中まで、もうぜーんぶ大公開のカラーグラビアで正体を明かします。
勝者にはもちろん優れた作品を書いたという名誉が与えられますが、敗者もこれがきっかけで人気が出たりして、どっちもお得。
菊池寛がもっとしつこく生きていたら、ぜったい文藝春秋誌の名物企画になっていたのでは、と思います。(菊池寛以降、こういう出版界の剛腕プロモーターみたいな人はいるのかしら?)

ということで、文藝春秋じゃなくていいから、どこかでやらないものか。
世紀の対決! 舞城王太郎 VS‥‥
えーと、誰か他に、覆面作家って、いるっけ。
ピンチョンでは大物すぎるし‥‥。

この企画、いきなり挫折。まずは覆面作家をデビューさせるところから始めなくちゃいけませんでした。


posted by 清太郎 at 13:15| Comment(7) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
覆面願望はあるんですよねぇ。
おおー、この本は、と折り返しを見て
がっくりとか(スゲー不謹慎)

この美しい作品が、この主人公の雄躍が
まさか・・・

いや、この写真は別人、
たぶん、この写真は覆面なんだよと
言い聞かして。

さて、あなたの望む覆面作家はだーれ?
Posted by いちろ at 2007年05月09日 11:20
覆面作家と言えば、北村薫さんしか知りませんね…(←素人
全く余談ですが、以前掲示板でオススメしてもらった『空飛ぶ馬』を借りに市立図書館に行ったら、何故か置いてなかったので代わりに続編の『夜の蝉』を借りてきました。
…女性が書いた、ような気がしてしまう…。

確かにいちろさんの言うとおり、すっごい面白い小説で、一体どんな人が書いてるんだろう?? と思っていて正体を知ったら、
「え゛、こんな人が!?」
と思う事はあります。ええ。
竹内薫さん(サイエンスライター)が今までで一番ショックでした。意外とフツーのおっさんで。
Posted by 黄黒真直 at 2007年05月09日 18:17
いちろさん。
スゲー不謹慎、ですが、こういうことってあるよね。
微妙なのを載せるんだったら、ないほうがいいよ、と思うこともあります。
あるいはときどき、もうちょっと真面目に写真撮ってあげろよー、これ編集者がてきとうにデジカメで撮ったんじゃないの?ということもあるし。

黄黒さん。
竹内薫の素顔がショック、ってなんだかマニアックですね‥‥。
『夜の蝉』は、お姉ちゃんが出てくる話でしたっけ。
女性名の男性作家ヤスミナ・カドラは、政治的な理由から奥さんの名前で小説を書いていた、という人ですが、邦訳された2作品を読むかぎり、これの作者が女性といわれてもねえ‥‥、という感じでした。
Posted by 清太郎 at 2007年05月10日 15:21
覆面じゃないですけど、サルマン・ラシュディなんてどうでしょうか。
負けたらおそらく死ぬ羽目に…(って不謹慎ですみません)。

あとは、清太郎さんが時々名前を出されるあの方も実は…。
Posted by 犬 at 2007年05月23日 03:01
北村薫氏が覆面だったのは最初の2年間ですね。推理作家協会賞を受賞して正体判明。私も会ったことあります。
サリンジャーもブランショ(故人)もパパラッチがいたとかいなかったとか。いまだと北川歩美さんなんかが「理系美女? 男?」と言われてますね。
いまだに拙著を「女性エッセイ」の棚に置いてくださっている書店があるらしく、感謝しています。
Posted by chinobox at 2007年05月23日 03:05
追記。上の書きこみで犬が言ってるのは、清太郎さんのサイトに出てくるある女性作家がじつは男性なんです。本の著者略歴の性別・生年・学歴・出身地、全部嘘。その人に名刺もらってびっくりしました!
Posted by chinobox at 2007年05月23日 03:09
犬さん。
考えてみると、別に覆面じゃなくても、住所や過去が明らかになると困る作家はいろいろいそうですね。
それはそうと、「時々名前を出されるあの方」って、誰!? わー、気になる〜!

chinoboxさん。
ということで、ああ、誰なんだろ。いろいろ思い浮かべてみたけど、
「武田百合子は、実は男」
いや、それはありえないし、
「川上弘美が男」
いや、ふつうに対談してたし、えーと、恩田陸は本屋大賞の授賞式に出てたし、ほかに女性作家って、えーとえーと、あああ、誰なんでしょう〜!?

北村薫の覆面は2年だけだったんですか。私が初めて読んだのは、もうすっかりオッサンだと知れ渡ってからだったので、「もっとウブな気持ちで読んでみたかった」と思ったものです。
それにしても、その本屋の店員さんは「チノ・ボウコさん」と思いこんでるんでしょうか(日本の男女別書棚って、書店員にわずかながらの努力というかスキルを要求しますね)。
そのお店で本を買った人も、著者を女性だと思っちゃったりしているんでしょうか。
でもって、
「一人称が“俺”だったりするのが、萌え〜」
と思ってるんでしょうか。chinoboxさん、そういうウブな読者を、たいせつにしてあげてください(^^)
Posted by 清太郎 at 2007年05月26日 15:32
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