2005年10月20日

サァー本屋さんへ行こう!

読書週間(キャッチフレーズは「本を読んでる君が好き」)を前にして、本屋さんの店頭で流すための音楽CDが作成されたそうです。タイトルは「サァー本屋さんへ行こう!」。軽快なテンポの曲で、書店のBGMや各種イベントでの活用を見込んでいるとのこと。
こんなのです。

「サァー本屋さんへ行こう!」
   作詞=よしもとももたろう/坂田おさむ 作曲=坂田おさむ

サァー本屋さんへ行きましょう 本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってる きっと答えが待ってる
流れる雲に 乗ってきたよ 青い空の想い出を抱いて
子供達の笑い声は どこから来たの どこへ行くの
だから 僕らは 理由(わけ)を 探してる
風の行方をみんな探してる

サァー本屋さんへ行きましょう 本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってる きっと答えが待ってる
ま白い雲に乗ってきたよ 新しい空に旅立つために
なつかしい唄はどこで生まれたの 何故に僕らは生きているの
だから 僕らは 理由(わけ)を 探してる
風を明日の友達にして

*サァー本屋さんへ行きましょう 本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってる きっと答えが待ってる*
*繰り返し

この歌が流れているのを聴いたことがないのでよくわかんないのだけど、スーパーの鮮魚売場の「さかなの歌」、あるいはパスタ売場の「たーらこー、たーらこー、たーっぷーりーたーらこー」の歌のように、えんえんと「サァー本屋さんへ行きましょう、本屋さんへ行きましょう」と日がな一日流れ続けているのでしょうか。私だったら、そんな本屋さんには、行きたくありません。

それはともかく、この歌の内容、ちょっとどうかと思うのだが。ホントにみんな、そんな理由(わけ)を探して本屋さんに行くのか。本屋さんは、それにちゃんと応えてくれるのか。
たとえば、サービスカウンターで、
「すみません、本を探してるんですが」
「どんな本でしょう」
「なつかしい唄がどこで生まれたのか、わかる本を」
これなら大丈夫だ。
「それでしたら、平凡社新書から『謎とき名作童謡の誕生』、それに文春新書から『「唱歌」という奇跡 十二の物語』という本が出ています」
と、お客さんには胸を張って答えられる。
あるいはまた、
「すみません、みんなで探してるんですが」
「何をでございましょうか」
「風のゆくえを」
これもいい。
「ああ、栗本薫のグイン・サーガ23巻『風のゆくえ』でございますね。それでしたらハヤカワ文庫の棚に‥‥」
よし、問題ない。
しかし、
「すみません、本を探しているんですが」
「どのような本でしょう」
「何故に僕らは生きているのか、その理由がわかる本を」
これはなかなか難しいリクエストだ。ここで宗教とか精神世界関連の書籍をすすめるか、レヴィナスとかの哲学本をすすめるか、生命科学の本をすすめるか、あるいはまたドストエフスキーとか大江健三郎とかをすすめるか、書店員のセンスと見識が問われるところだろう。(私ならとりあえず、梨木香歩の『沼地のある森をぬけて』(新潮社)をすすめておきたい。昨日読んだばかりなので。)
しかし、こういう場合はどうなのか。
「すみません、本を探しているんですが」
「どんな本ですか」
「子供達の笑い声が、どこから来たのか、どこへ行くのか。その理由がわかる本を」
「‥‥」
これは困る。単に「子供達はどこから来たのか」だけであるなら、性教育関連本でもいいような気がするけど、「笑い声」、しかも「どこへ行くのか」だもんなあ。まいった。全国の書店員さんも、大いに頭を悩ませることだろう。
そうして悩みに悩んだ末、
「こんな変な歌詞つくるからダメなんだ」
ということになって、1カ月くらいしたら、「サァー本屋さんへ行こう!」は改訂されて、1番の歌詞はちょっと変更されて、

本屋さんで待ってる きっと答えが待ってる
流れる雲に 乗ってきたよ 青い空の想い出を抱いて
赤ちゃんは どこから来たの どうやって生まれるの
だから 僕らは 理由(わけ)を 探してる

というようなことになるかもしれない。
posted by 清太郎 at 00:00| 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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