2010年06月08日

文学少女を守るデモ

iPadの日本発売を機に、電子書籍についての話題が今までになく盛り上がっております。
斜陽の出版界に対して、電子書籍は福音をもたらすのか、はてまた引導を渡すことになるのか。
業界内では、今、侃々諤々の議論が議論が行われているのであります。

しかし、その議論において、大切なものが忘れられていないか。
出版界を構成するものは、いわゆる「業界」、すなわち出版社、書店、取次だけではないのであります。
それは誰か?
もちろん、
「読者」
である!!
そんな読者不在の議論ばっかしてるから斜陽になるんじゃボケ!

というのは正論でありますが、小生が言いたいのはそういうことではないのであります。
出版社、取次、書店、それから読者。それぞれが生産、流通、小売、消費という役割を担うことで出版界は回っているわけではありますが、しかし、その営みは、単なるビジネスではありません。
それは、そう、文化、なのであります。
出版は、文化なのであります。
そして、文化としての出版を象徴するものは何か!?
それこそ、おお、われらが、
「文学少女」
なのであります!
そうなのであります。電子書籍をめぐる一連の議論において、抜け落ちているもの、それはまさに、文学少女についての視点にほかならないのであります。
何という誤りであるか!
と、小生は、声を大にして言いたいのであります。
文学少女こそ、まさに紙の本なしでは存在し得ないものなのであります。
電子書籍ではない、物理的な本を前提としてはじめて文学少女は存在するのであります。
電子書籍しか出さない出版社があってもいいでしょう。電子書籍しか読まない読者があってもいいでありましょう。
しかし、電子書籍しか読まない、iPadやキンドルやケータイの画面で電子書籍を読んでるだけの文学少女は、それはもう文学少女ではないのであります!

もちろん、文学少女には、さまざまな形態が考えられるでありましょう。
髪は腰までの長いストレートでもいいし、三つ編みお下げでもいい。
眼鏡はかけていても、かけてなくてもいい。
セーラー服でもブレザーでも、白いワンピースでもいい。
しかし、その手にしているものが、iPadであってはならないのであります。これはもう、何があろうと、紙の本でなくてはならぬのであります!
電子書籍が出版界を蹂躙しようとしつつある今、われらが文学少女は、ああ、まさに危急存亡の秋を迎えているのであります!
出版という文化に可憐に咲く花、われらが愛する文学少女。その命は旦夕に迫っておるのであります!

では、今、われわれは何をなすべきなのか。
事態は一刻を争うのであります。
静観している場合ではないのであります。
今、まさに行動が、果敢なる行動が求められているのであります。
しかし、残念ながら、できることは限られているのであります。
金と技術があれば、たとえば日本中に妨害電波を流して電子書籍のダウンロードを阻害する等できるでありましょうが、非力なわれわれにはそれができぬ。
ああ、どうすればいいのか!?
だが、同志よ、安心召され。
ここは日本、われらは日本国民なのであります。
日本国民には、言論と集会の自由という、すばらしい権利があるのであります。
その権利を、今使わずして、いつ使うのというか!?
そうだ! 同志よ、今こそ、決起せよ!
立ち上がれ! そして、集え!
ともに手を取り合い、
「文学少女を守るデモ」
をおこなうであります!!

と、口先ばかりではないのであります。
iPad発売から1週間が経った先日の金曜日、われわれは、東京都渋谷区において、デモを決行したのであります。
東京都ではデモは届出制になっているので、われわれは『貧乏人の逆襲!─タダで生きる方法』(松本 哉、筑摩書房)を参考に、抜かりなく管轄の渋谷警察署に届出を出しておいたのであります。
デモを主催する団体名は、
「文学少女を守る会」
であります。ゆくゆくはNPO法人の認可をとるつもりであります。
暑いくらいに晴れ渡った当日の午後1時半、デモ出発地の恵比寿公園に集合したのは、関東各地から集まった、我輩を含め5名の同志であります。
5名‥‥。
「少ないんじゃないの?」
と思ったそこのキミ! キミは間違っておる!
5名もいれば、たいていのことはできるのであります。戦隊の皆さんだって地球の平和を5人で守っているのであります。
5名でも戦隊であり、5名でもデモなのであります。
われわれは、先導する警察官のかた(ご苦労様であります!)に交通整理をしてもらいながら、
「文学少女を守れ!」
「いま文学少女が危機に瀕している!」
のプラカードを手に手に掲げ、威風堂々、デモ行進をしたのであります。
ルートは、恵比寿駅西口側にある恵比寿公園から、目黒通りを代官山まで行き、北上して線路を越え、青山学院大の脇を通り、青山病院前の通りを抜けて原宿へ向かい、原宿駅前で解散、であります。
あえてケータイ世代の若者に対して、文学少女の価値と希少性を訴えようではないか、という狙いなのであります。

デモ行進のさなか、沿道からは実にあたたかい声援をいただき、何度も励まされたであります。
「なんか知らんががんばれよー」
と応援していただいた見知らぬお兄さんにも、
「これ何の撮影?」
と気にかけていただいた見知らぬオバサンにも、この場を借りて、あらためてお礼を申し上げたい。ありがとうございました。
また、デモ行進中の様子は、随時、twitterで、
「デモ出発なう」
「代官山アドレス前なう」
「道行く女子が写メ撮ってるなう」
などと、実況したのであります。
それに対して、
「ガンバレー」
「文学少女、やっぱり大切ですよね!」
「ボクも参加したかった!」
と、多くのかたがたから返信をいただき、これまた感謝の念に堪えません。
われわれは間違っていなかった! との思いを、さらにさらに深めたのであります。

ただ、一点だけ、遺憾に思うことがないではないのであります。
こうしてわれら5名、誠心誠意がんばった、精魂傾け、声を張り上げ、一所懸命やり遂げた、その行為に対して、当の文学少女本人から、特に何の音沙汰もなかったのであります。
いや、もちろん、われわれは代償を求めてデモ行進をしたのでは、決してない。トキやイリオモテヤマネコを守る会の人たちも、別にトキやイリオモテヤマネコから感謝されたいと思ってやってるわけではないのであります。
同様に、われわれは、何の見返りも求めぬ、誠に清い心でもって、高い志と正義を愛する心のみを糧に、立ち上がり、集い、デモを決行したのであります。
シャイな文学少女のかたがたから、ひと言の感謝の言葉もなくても、われわれは文学少女を守るべく、これからも活動を継続していく所存であります。
ただ、そこで、たとえひとりでも、いや、ただひとりでいい、可憐な文学少女のかたが、ほのかに頬を染め、
「あたしのこと、守ってくれて、ありがとう‥‥」
と、つぶやいてくれたのなら、われわれは、それだけで昇天、いや、勇気百倍なのであります。

そこで、であります。
次なる、第二回文学少女を守るデモ決行に向けて、われわれ文学少女を守る会では、
「守ってほしい文学少女」
を募集したいであります。
全国の文学少女の皆さまに、お願いであります。住所、氏名、連絡先に加え、好きな本のジャンルや作家、それにスリーサイズと写真2枚(全身写真とバストアップ)を同封のうえ、以下の宛先の、
「守ってほしい文学少女係」
まで、どしどしご応募いただきたいであります!
厳正な選考のうえ選ばれし文学少女のかた(若干名)のもとへ、われわれ文学少女を守る会の同志は、ただちに馳せ参ずるであります!
そうして、われわれは、全力でもって、われらが女神、敬愛すべき文学少女をお守りするであります!
文学少女を守るデモをはじめ、文学少女を守るシンポジウム、文学少女を守る読書会、文学少女を守る食事会、文学少女を守る伊豆温泉旅行など、文学少女を守るさまざまな活動を決行していく所存であります。
そのうえで、いずれ、
「会のみんなで守ってくれるのもうれしいけど、‥‥こんど、ひとりで守ってくれますか」
と言われたら、小生としては、えーと、その、やぶさかでないであります。


posted by 清太郎 at 21:51| Comment(8) | TrackBack(1) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
べ、べつに守ってくれなくったっていいんだからね!
でもアンタがどーしても守りたいってんなら、あの、コレ、私の住所と。。。
 
ってゆー文学少女からメール届くといいですね(^^)
Posted by シキ at 2010年06月09日 11:07
シキさん。
そういうツンデレ文学少女も大歓迎であります!
しかしおそらく正しい文学少女は紙の本ばかり読んでるからネット情報に疎くて、自分が滅びそうなことがわかってないのであります。まったく残念であります。
Posted by 清太郎 at 2010年06月09日 22:10
事態は、もっと切迫しているですますどす。
文学少女は、もはや、放っておいては減少するばかり、積極的に育成するしかないですますどす。
そう、文学少女の養殖、畜産、放牧、はあはあはあ・・・

失礼しました。
Posted by すずめの巣 at 2010年06月11日 21:57
すずめの巣さん。
国産の天然もの文学少女が不足すると、やはり輸入か養殖ということになるんでしょうか。偽物にも注意しないといけません。
Posted by 清太郎 at 2010年06月13日 16:54
理系な我々にとっては、iPad少女も萌え〜であります!
白衣を着て、携帯端末で情報検索をしている姿など、悶絶であります!

でも、先日電車で小野不由美を読んでるセーラー服の少女を見て、
思わずニヤリとしてしまったであります!

あ、あと、内定が取れたであります。理系のメーカーであります。萌え〜。
Posted by 黄黒真直 at 2010年06月14日 00:09
黄黒さん。
おお、内定おめでとうございます! 新入社員になったら、白衣の先輩お姉さまに存分にいじめられてください(^^)
ところで、「白衣を着て、携帯端末で情報検索をしている」少女は、それはiPad少女ではなくて「白衣少女」なんではないかと思うのだけど‥‥。
Posted by 清太郎 at 2010年06月14日 22:00
清太郎さん

た、確かに、白衣少女であります!
不覚であります!
Posted by 黄黒真直 at 2010年06月15日 23:29
黄黒さん。
思わず本音というか、個人的嗜好が出てしまいましたね。ふふふ。
Posted by 清太郎 at 2010年06月16日 07:10
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