2010年08月28日

オタク俳句(二次元俳句)のすすめ

オタク川柳っていうのがありますよね。
「この知識 オタクに普通 世に不通」
「俺の嫁 ワゴンセールで 売られてた」
とかいうの。「オタク川柳大賞」は、マスコミでもとりあげられるほど話題になりました。
で、川柳があるのなら、
「オタク俳句」
があってもいいのではないか、と思うのです。
というと、
「え、オタク川柳って、俳句じゃないの?」
などという人がいるかもしれないけど、もちろん、俳句は川柳じゃありませんよ。
同じ五七五の17文字の文芸だけど、川柳には季語はなくて風刺や笑いがあって、俳句には風刺や笑いは必要ないけど、季語と、あと何かよくわかんないけどプラスアルファが必要です。
ともあれ、こういうときは、とりあえずGoogle先生に訊いてみましょう、と検索してみたんですが、オタク俳句といいつつオタク川柳だったり、あるいは単に五七五にまとめただけだったり‥‥。
俳句やってる層とオタク層が重ならないのか、あるいはオタク俳句をつくってる人がいてもネットに公表しないのか、とにかく、オタク俳句といえるようなものは、なかなか見当たりません。

ということで、みんながつくらないなら、私がやってみましょう、と始めてみることにしました。
ただし、オタクなことを俳句にする、というだけでは、
「季語の入ったオタク川柳」
のようなもの、というかオタク川柳の劣化版になりそうなので、オタク川柳とはまったく別次元のものにすることにしました。
文字通りの「別次元」のものに。
どういうことかというと、オタク川柳は原則としてオタクの生態や行動を(自嘲的に)描くものですから、つまりは三次元です。
それに対して、オタク俳句は、二次元にしてみます。
すなわち、この現実の世界に生きているオタクを俳句にするのではなく、アニメやマンガなどの作品の中を俳句にする。
ふつうの俳句が、現実の世界の風景や事物、人情や想像を題材にしているとしたら、オタク俳句はアニメやマンガなどの作品の中の風景や事物、人情や想像を題材にするのです。

などといってもよくわかんないかもしれないので、実際に例を挙げますね。
たとえば、「新世紀エヴァンゲリオン」の作品世界を題材に、

 髪洗ひ使徒襲来の夜明けかな

季語は「髪洗う」。エヴァにおいては日本は温暖化でずっと夏という設定ですから、夏の季語です。
あるいは、「機動戦士ガンダム」の最終話、シャアがキシリア閣下にバズーカを向けながらつぶやいた名台詞「ガルマ、私の手向けだ。姉上と仲良く暮らすがいい」を題材に、

 姉上と仲よく暮らせ冬薔薇(ふゆそうび)

薔薇は俳句ではよく「そうび」と読まれるようです。冬薔薇とこの台詞には何の関連もないし、そもそも舞台は宇宙だから四季もないんだけど、華やかなガルマとクールなキシリアの組み合わせに冬薔薇のイメージは合うかなあ、という選択。
アニメじゃなくても、「ジョジョの奇妙な冒険」第4部の舞台、杜王町を使って、

 三日目のカレー杜王町暑し

アニメやマンガ以外でも、たとえばRPG「ドラゴンクエスト」で、

 ルイーダの酒場勇者と冷ややっこ

これはちょっと滑稽味を狙いすぎてスベってるかな‥‥。
ともあれ、だいたいの感じはおわかりでしょうか。
考えてみれば、アニメやマンガは日本の誇るポップカルチャーの筆頭ですし、かたや俳句は江戸時代から続く伝統的な日本文化の代表でもあります。
その両者が合体した二次元俳句って、伝統とモダンをアウフヘーベンしたというか、ハイブリッドな最前線の日本カルチャー!? という気がしないでもなくて、おお、なんだかスゴイかも。

‥‥とはいえ、俳句ってやっぱり難しいんですよね。入門書とかにはよく「俳句は誰にでもつくれる! 紙と鉛筆さえあればいい!」なんて書いてあるけど、ウソだと思います。
こんなこと言ってる私自身、今月になるまで、俳句つくれなかったんだし。
興味はあっても、実際にどうすれば俳句をつくれるのか、ずーっとわからないままでした。
三田完の句会小説『俳風三麗花』なんかを読んでも、俳句おもしろそうだなあ、いいなあ、と憧れるだけ。
それが今月、岸本葉子『俳句、はじめました』(角川学芸出版)を読んだら、句会のようすがすごくおもしろそうで俳句をつくりたくなり、しかもこの本、俳句シロウトの岸本葉子が句会に参加することでだんだん上手になっていくエッセイなだけあって、まったくのシロウトが読んでも俳句のコツもなんとなくわかる(たとえば、語と語がつきすぎないように、理屈すぎないように)ので、それでようやく一歩を踏み出せた次第。
で、Twitterでツイートしたところ、俳人でもある千野帽子さんより幸いにもコメントいただき、
「一片の悔いなき生に揚雲雀」(「北斗の拳」ラオウの最期の台詞「わが生涯に一片の悔いなし!」より)⇒全国の老人会で毎週つくられてる感じだからダメ
「人類の補完すんだか水海月」⇒人類補完と海月が近いから「人類の補完すんだか西瓜番」
「独逸から来た転校生夏木立」⇒三文字熟語の連続が気になるなら「轉校生獨逸から來て夏木立」
などなど。わー、なるほど、勉強になります! 俳句おもしろい!

と、そんな俳句始めて10日の超初心者として思うんだけど、「季語の入った五七五」を俳句にするためのプラスアルファのひとつは、なんというか、その17文字の中にひとつの世界が立ち現れていることなんじゃないかしら。
だとすると、アニメやマンガなどの既存の作品を題材にするってことは、一から世界を組み上げなくても、その作品の世界をお手軽に借りられるってことだから、つまり初心者にも俳句らしい俳句がつくりやすいんじゃないかしら、と思うのです。
二次元俳句は、俳句初心者にこそ、おすすめなのかも、なのです。
ですから、俳句つくったことない、という皆さんも一度、挑戦してみてはどうでしょう。
とりあえず、作品の中の台詞や舞台、事物を五七五のうちの五七か七五に当てはめて、残った五文字に季語を入れることからはじめると、つくりやすいです(たぶん)。
題材とする作品は、アニメやマンガのほか、ゲームでもTVドラマでも映画でも小説でもいいでしょう。
つくったらTwitterで、#otahaikuのハッシュタグをつけてツイートしましょう。

さあ、二次元俳句という現代日本文化の最前線を、あなたも体験してみませんか。


posted by 清太郎 at 22:05| Comment(19) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月17日

春の読書週間

毎年、この時期の定番の話題といえば、
「読書週間の標語」
です。
今年、2010年の標語も、すでに決定しております。ご存じですか、
「気がつけば、もう降りる駅。」
というの。
ご覧の通り、一昨年、昨年に続き、今年も「本に関する言葉が入っていない」標語。
「気がつけば、もう降りる駅。」だなんて、別に読書してなくてもいいわけですからね。
「好きな子とおしゃべりしているうちに、気がつけば、もう降りる駅。」
「お互い抱きしめあっているうちに、気がつけば、もう降りる駅。」
「彼女の唇をむさぼってるうちに、気がつけば、もう降りる駅。」
でもいい。
昨年、このブログで指摘したように、
「読書週間の標語の文言から、本にまつわる言葉をなくす」
     ↓
「読書週間ではなく愛書週間にする」
     ↓
「愛書週間から恋愛週間にする」
     ↓
「読書分野から恋愛分野へという業態転換」
という変革が、着実に進行しているようです。

さて、この「気がつけば、もう降りる駅。」という標語自体の検討は次回に回すとして、今回は「読書週間」について少し。
「読書週間」というのは、一応確認しておきますと、
「10月27日〜11月9日(文化の日を中心にした2週間)」
ということになっています。読書週間初日の10月27日は、「文字・活字文化の日」ね。
読書週間がなぜこの時期に設定されたのかについては、まあ読書の秋だし、文化の日だし、ねえ‥‥、という程度のテキトーな理由しかありません。文化の日も、日本国憲法の公布日だから、読書とはぜんぜん関係ないわけだし。
となると、ですよ。
あらためて考えると、読書週間をこの2週間のみに限定する必要は、まったくないはずです。
むしろ、真に国民にもっと読書してほしい、というか、もっと本を買ってほしい、と思うのならば、読書週間をこの2週間だけにとどめておくのは、おかしなことではないでしょうか。
お役所主導の交通安全週間だって、春の秋の2回あるのです。
甲子園にも春と夏がある。
なのに、なにゆえ読書週間が、秋だけなのであるか。
「ほかにも愛鳥週間とか女性週間とかアレルギー週間とか国際文通週間とかいっぱい詰まってて、もう空きがないんです」
なんて言い訳は通用しませんよ。電波帯域じゃないんだから。
5月には「こどもの読書週間」がありますが、それは所詮子ども相手のもの。読書週間が甲子園レベルだとしたら、そっちは小中学校の野球大会レベルでしょう。
つまり、読書週間が秋にしかない、というのは、
「営業努力の不足」
のあらわれでしかないのです。
「怠慢である」
とのそしりは免れない。
今や、売る努力なしに、モノが売れる時代ではないのです。
本が売れない、出版不況だ、などと嘆くひまがあったら、とりあえず、まずは「春の読書週間」をつくるべきです。
その後、「冬の読書週間」、「夏の読書週間」、さらに「年末読書週間」「早春読書週間」「晩秋読書週間」「梅雨時読書週間」「お花見読書週間」「紅葉読書週間」「初雪読書週間」「愛鳥読書週間」「交通安全読書週間」と、次々に読書週間を拡充し、本の販促に努めましょう。
そこまでやって、それでも本が売れなかったら‥‥?
いや、心配無用です。そのころには、
「読書から恋愛へ」
の業態転換が成し遂げられているはずです。


posted by 清太郎 at 17:23| Comment(3) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月05日

国民読書年×Twitter連動企画「わたしに本をすすめてください」

はじめまして。
皆さんから、本をすすめていただくことになりました白河まりあ(@shirakawamaria)、17歳です。都内の女子高に通っています。
趣味はもちろん‥‥、読書!
小説は古典から伊坂幸太郎まで、恋愛小説もミステリもSFもラノベも大好きなんですけど、自然科学のエッセイとか新書とかも読んでますし、社会、経済、歴史、哲学も少し背伸びして‥‥。おもしろい本なら、なんでも好き!です。古本屋さんに行くのも好き!

さて、今回の企画で、わたしはこれから1年、皆さんからすすめていただいた本だけ、を読むことになります。(勉強に使う資料本とかは別ですよ。趣味で読む本、です。)
Twitterで、ハッシュタグ「#watasusu」をつけて、おすすめ本をツイートしてくださいね。
書名と著者名または出版社名、それに加えておすすめアピール文をつけて、ぜんぶで140字以内、が条件です。
で、そうやって皆さんにツイートしていただいた本の中から、わたしは次に読む本を選んでいきます。
見事、わたしの読書心を射止めた(?)ツイートをした人には、国民読書年実行委員会から2,000円分のAmazonギフト券が贈られます。
わたしの読書ペースは、2、3日に1冊程度ですから、1年で120冊超くらい。最後に、その中でイチバンの本をおすすめいただいたかたには、なんと20,000円分のギフト券をプレゼント!です。
ちなみに、費用についてはすべて国民読書年実行委員会から実費が支給されるので、本の値段に配慮する必要はありません。
わたしはこれから1年、お金の心配をすることなく本が読める、幸福な女子高生なのです。(この企画に参加することにしたのは、そのためです。)

ということで、Amazonギフト券ゲットを目指して、どんどん本をおすすめしてくださいね!
ただし、皆さんが本をおすすめするツイートは、リツイートはもちろん、ブログなどウェブでの引用、書店や図書館でのPOPなどでの利用も、無許諾でOKということにします。目を引いたアピール文は、本屋さんでもどんどん販促に使っちゃおう、ということですね。
もちろん、おすすめツイートだけじゃなくて、ふつうに@shirakawamariaで何かツイートしていただければ、返事しますからね! まずはフォローお願いします。

参考までに、ここ最近読んだ10冊を挙げると、古い順に、
・タチアナ・ド・ロネ『サラの鍵』(新潮社クレストブックス)
・須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』(文春文庫)
・梨木香歩『渡りの足跡』(新潮社)
・小沼丹『懐中時計』(講談社文芸文庫)
・加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)
・藻谷浩介『デフレの正体』(角川oneテーマ21)
・マリー・ソウ&キャロル・チャウ『世界を変えるオシゴト』(講談社)
・吉村昭『蟹の縦ばい』(中公文庫)
・中村安希『インパラの朝』(集英社)
・長沼毅&藤崎慎吾『辺境生物探訪記』(光文社新書)
‥‥うーん、われながら、あんまり、かわいい女子高生っぽくないかも(焦)。
とにかく、こんな感じで、新しめの本の間に古本を混ぜたりしながら読んでますので、皆さんも、新刊・古本の区別なく、おもしろい本、読むべき本を、どんどんおすすめしてください!
熱いツイートをお待ちしています!


‥‥という企画があったら、ぜったい参加するのになあ。
国民読書年はあと5ヶ月しかありませんが、実行委員会(そんなものがあるとしたら)の皆さん、ぜひ検討してください。


posted by 清太郎 at 00:15| Comment(11) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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