2010年07月31日

本好き女子がいっぱい! 「DKS48」結成!

そっち方面は詳しくないのでよくわかんないのですが、AKB48に続いて、さらに名古屋のSKE(栄)48、大阪のNMB(難波)48と、地元密着型のアイドルグループが誕生してるそうです。
この調子で行けば、そのうちNKS(中洲)48とかKWM(河原町)48とかATM(熱海)48とか、どんどん出てくることは間違いないわけで、よーし、われらが読書界も、ドサクサにまぎれて、同様のアイドルユニットを立ち上げてはどうか。
ジャジャーン、
「DKS48」
ディーケーエスフォーティーエイト。「DKS」は、「読書」です。

全国から集まった本好き、読書好きの女の子が、てんこ盛りの48人。
あの娘もこの娘も、みーんな、本が大好き。本の話をするのも好き。
しかも、アイドルなんだから、みーんな、カワイイ。みーんなかわいくて、本が好き。
という、ウブな本好き男子が卒倒するような夢の女子集団です。
そうして48人、ステージの上に勢ぞろいして、何をするかというと、歌って踊る‥‥かどうかはわかんないけど、せっかく読書なんだから、48人で、
「全員朗読」
とかするの。(そんなの聴いておもしろいのか、と思うかもしれないけど、いや、これを機に、朗読を聴いて楽しむ、という娯楽をつくりだせばいいのだ。攻めの姿勢が大切です。)
とにかく、本好きのカワイイ女子が48人もいるんだから、そのインパクトたるや、スゴイはずです。「読書家向けキャバクラ」の比ではありません。
しかも、48人、それぞれ個性もバッチリです。
たとえばチームDの白河まりあちゃんは、黒髪ロングの眼鏡っ娘で色白でおっぱいは小ぶりで日本の近代文学が大好きという絵に描いたような文学少女。チームKの高槻よしのちゃんはショートカットのボクっ娘で好きなジャンルはSF。チームSの佐々かなこちゃんはツインテールのロリ貧乳、でも硬派骨太なノンフィクション大好きで、ポケットにはいつもムーアヘッドで、そのギャップがたまりません。
自分の好きなジャンルを読んでるメンバーが好みの女子であれば、もう断然親近感が沸いてきて、本読みながら、
「この本、小清水ちゃんも読んでるんだろうなあ、ムフ、ムフムフムフ」
と読書のヨロコビがさらにアップ。
よしんば好みのタイプと本が食い違っていても、
「高瀬咲ちゃんは巨乳でボク好みなんだけど、でも得意ジャンルが建築と工学なんだよなあ、そんな本読んだことないよー、いや、でも、咲ちゃんのために、あえて建築本に挑戦してみる!」
と、DKS48のために、未知の領域に取り組むウブな読書家も大勢あらわれるでしょう。
そんな男子たちのために、DKS48のメンバーはそれぞれ、
「私に会いたかったら、最低限これだけの本は読んでね!48冊リスト」
などを公開してますから、ファンはこぞってそれを読む。
そうして、48人のブログはそれぞれ各ジャンルの読書コミュニティとなって、あるいはTwitterでも、
「このまえ出た『飢えたピラニアと泳いでみた』(青土社)って、超おもしろそうなんだけど、どう? 読んだ人、感想教えて!」
なんていう桜井みかげちゃん(理系・生物本担当)のツイートに、ファンはこぞって感想ツイート。中小出版社にも恩恵がもたらされることでしょう。
もちろん、メンバーを囲んでの読書会も頻繁に開催されます。(参加するためには、一定量以上の本を購入しないといけないけど。)
本屋さんのフェアにも呼ばれたりして、
「物理・数学本フェア開催! 日曜日にはDKS48の千葉さおりちゃんと二鳥真穂ちゃんも来るよ!」
ということになれば、彼女たちを目当てに慣れない物理・数学本を買って行列する男子も続出です。
読書週間には、角川書店あたりと組んで、
「秋の48冊!」
のフェアを開催。
もちろん、表紙はそれぞれDKS48のメンバーで、
「48冊コンプリートしたら、握手会にご招待」
ということになれば、みんな買います。ちゃんとコンプリートします。(CDやDVDなんかに比べれば、安いものです。)
DKS48のおかげで、本は売れ、読者(男子)は喜び、出版社は儲かり、本屋さんも嬉しい。おお、まさにDKS48は、不況下の出版界に光臨した救世の女神たちになるのです!

国民読書年とかいいながら、ろくな行事も行われてないし、国民読書年実行委員会なんかには予算がいっぱい余ってるだろうから(そんなものがあるとして)、DKS48のプロモーションに必要な費用は、とりあえずそこから支出してもらいましょう。
ヴァーチャルな電子書籍にばかりかまけてないで、もっと地に足のついた、こうした地道なPR活動を通して、読書の喜びを広める、それこそが国民読書年にふさわしいことだと思うですが、どうでしょうか。
(ぜんぜん地に足がついてないって。)


※このネタ、Twitterでの@sarurskさんとのやり取りから思いつきました。



posted by 清太郎 at 09:57| Comment(9) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月19日

読書感想文の本の選び方

えー、7月は1度も更新しないまま、あわわ、いつの間にか夏休みの時期になってしまいました。申し訳ない。
夏休みといえば、そう、読書感想文ですね!
ということで、久しぶりに読書感想文の話題をひとつ。
今回は、基本に立ち返って、
「読書感想文のための本は、どんな本がいいのか」
について考えてみましょう。

読書感想文の書くために、何を読もう‥‥、というとき、
「とりあえず、おもしろそうな本を読んでみよう」
こう考える人は、多いかもしれません。
「おもしろい本を読んで、ドキドキワクワクしたことを、読書感想文に書こう」
と。
しかしこれは安易な考え、いやむしろ大いなる過ちというものでありまして、たとえば、その考え方にもとづいて、
・ハリポタ
・直木賞受賞作
・話題の恋愛小説
・最近のベストセラー
などを読んで、感想文が書けるか。
読んでる間はドキドキワクワクして、読み終わって、あーおもしろかった、さて読書感想文は‥‥、
「僕は、この本を読んで、ドキドキワクワクしました。」
以上、おしまい、です。
これ以上のことは、なかなか書けるものではありません。
それは、あなたに国語の才能がないから、なのではありません。国語の才能がある人も、それどころかプロの文章家だって、こうした小説を読んで読書感想文を書くことは、難しいのです。
それは当然なのでして、なぜならば、そもそも読書感想文とは、
「おもしろい本を読んで、ドキドキワクワクしたことを書くものではない」
からです。
その本来の目的が、最初の最初の第一歩が間違っているというのに、そこから読書感想文を仕立て上げようとするから、苦労することになるのです。

ここで、
「えっ、読書感想文って、おもしろい本を読んで、ドキドキワクワクしたことを書くものじゃないの!?」
と思ったあなた、
「読書感想文、3つの鉄則」
を思い出してください。
(鉄則1)あらすじを書かない
(鉄則2)登場人物の気持ちを考えない
(鉄則3)正しいテーマを探さない
すわなち、
「話と関係ないことを書く」
「自分の気持ちと考えだけを書く」
「自分で勝手にテーマをつくる」
ようするに読書感想文とは、読書を足がかりにして自分のことを書く、という作文なのです(本を読んでどんなにドキドキワクワクしようと、どんなに感動しようと、それは読書感想文とは、まったく関係ないのです)。

そうなると、読書感想文を書くために、どんな本を選べばいいか、おのずと明らかになりますね。
つまり、
「自分のことを書くための足がかりとしてちょうどいい本」
がふさわしい、ということになります。
上に挙げた、
・ハリポタ
・直木賞受賞作
・話題の恋愛小説
・最近のベストセラー
といった作品では、自分の生き方、自分の身の回りのこととはあまりにもかけ離れているがゆえに、その作品を通して自分のことを書く、ということが難しくなるのです。
(もちろん、ふだんの生活の中で、悪の魔法使いと魔法対決を繰り広げているようなかたは、たとえばハリポタを読んで、「ハリーはこのような戦略をとっているが、私であればこのような魔法を使い、このように戦いたいと思います」という感想文を書けばいいと思います。)

さて、それではその、
「自分のことを書くための足がかりとしてちょうどいい本」
とは、どんな本か。
人によってその基準はいろいろあるかもしれませんが、いちばんシンプルなのは、
「自分の日常に近い本」
でしょう。
自分の、この平凡な、ドキドキワクワクのない、ふつうの、ひと夏で大きく成長しちゃったりしない、いつもの日常。
そうしたものが描かれている小説を選べばいいのです。

「えっ、でも、そんな本で、どうやって読書感想文を書くの?」
と思うかたがいるでしょうから、ここにフォーマットを示しておきましょう。
(1)まず、自分の日常を書き連ねる。
最初に、夏休みの日記を素直に書いてみます。たとえば‥‥、
 「夏休みに入ってから、2週間が経った。去年と同じような、平々凡々な日常だ。朝は○時に起きて、○○して、○○して、○○して‥‥。先日は友達の○○君と○○に行って、○○だった。昨日は山形のいとこが遊びに来て、○○して‥‥。」
といったことを、原稿用紙1枚くらい書きます。
そうして、おもむろに、
 「そんな繰り返される日常に、僕はいささか倦んでいた。夏休みというこの何もない日々は、僕にとっては退屈以外の何ものでもなかった。
 だが、そんなある日、僕は、この本に出会った。」
と、一冊の本を示して、次が、
(2)本の内容を書き連ねる。
 「この本は、○○の日常を描いた作品だ。○○が○○して、○○が○○する。ときどき○○が○○して‥‥。」
と、やっぱり原稿用紙1枚くらい、内容を具体的に紹介します。
ここまでが、起承転結の起と承です。
皆さん、本を読んだら、がんばってここまで書いてください。ここまでくれば、後は簡単です。(1)と(2)に続けて、次のようなことを書けばいい。
(3)まとめ
 「ところで、こんな平々凡々たる日常を書き連ねたこの作品を読んでいて、僕はふと思った。作品で描かれている日常は、僕が送っているこの日常、退屈で仕方がないこの夏休みの日々と、大して変わりがないのではないか、と。いや、僕の日常そのままだと言ってもいい。
 しかし、どうしたわけだろう。作中で起こる日々のありふれた出来事ひとつひとつの、なんと輝いていることか。冒険もなければ危険な恋もない、スリルもサスペンスもない、ごくふつうの日常。なのに、その日常が、細部にわたるまで、たとえようもなく尊いものに思えてならないのだ。
 なぜか。
 もしかしたら、それは、作者自身が、そうやって日々の暮らしをいとおしみ、いつくしんでいるからではないだろうか。何気ない日常のひとコマひとコマ、一瞬一瞬を、決しておろそかにせず、大事にしているからではないか。
 作者が描き出すのは、ごく当たり前の日常だ。ハリー・ポッターやミステリや恋愛小説に比べて、本書は何らおもしろみのない小説かもしれない。でも、この一冊を通じて作者は、その当たり前の日常の大切さ、作りごとではない、誰もが自分のものとして生きているこの暮らしのかけがえのなさを、さりげなく示しているのかもしれない‥‥。
 そんな思いを抱きながら、作品を読み終えて本を閉じたとき、僕はふと、一気に視界が明るくなったように感じた。そうだ、日常は、退屈なんかではない。一日一日、一瞬一瞬のそのすべてが、まさに一期一会、二度と繰り返されることのない大切なものなのだ、と。
 夏休みはまだ2週間ある。いや、その先も、僕の日常はずっとずっと続いていく。その日常の一瞬一瞬を、大切にして生きていこう。今、僕はそう決意した。」
さあ、どうでしょうか。
何やらちゃんとした読書感想文っぽくまとまりましたね。
この(3)だけで、原稿用紙2枚分あります。
(1)で1枚、(2)で1枚ですから、原稿用紙4枚なんて、あっという間。
原稿用紙3枚以上、という規定であれば、(1)と(2)を適当に短くすればいいでしょう。
これにて、読書感想文終了!です。

しかしここで、
「ホントにこんな日常のことばっか書いてある小説なんてあるの? 具体的には、何て作品なの?」
という人がいるかもしれません。
「肝心の本が実在しなければ、絵に描いた餅じゃないかよ」
と。

ご安心ください。
そんな日常ばっかり書いてある作品は、ちゃんとあります。
いろいろあるでしょうが、代表的な作家をひとり挙げれば、庄野潤三。
昨年、惜しくも亡くなっちゃいましたが、1921年生まれの、いわゆる「第三の新人」のひとり。遠藤周作や吉行淳之介、島尾敏雄なんかと同じ世代の作家です。
もともと身の回りのことを題材にした作品ばかりの作家なんですが、晩年の「山の上」シリーズが、中でもスゴイ。小田急線向ヶ丘遊園駅が最寄り駅の丘の上の自宅を舞台に、子供たちが巣立った後の老夫婦ふたりの日常を淡々とつづったシリーズです。
これが、もうホントに日常。
近くに住んでる長男や次男、孫たちがたずねてきて、庭にシジュウカラが来て、庭にバラが咲いて、これは兄の英二が引っ越しのときにくれたものの生き残り、だなんてことが出てくるたびに説明されてて、毎日散歩に行って、毎年宝塚見に行って、人が来れば奥さんがまぜ寿司をつくって、近所の山田さんにスズムシもらって、清水さんからは料理のおすそ分け、夜はハーモニカ吹いて、奥さんが歌を歌って、そうして、何かいいことがあるたびに、「うれしい」、「たのしい」、「ありがとう」。と、ひたすら、その繰り返し。そしてその繰り返しが、読むものに喜びを与えてくれるのです。ああ、もう、至芸。
まさに、
「日本文学界のサザエさん」
です。
『貝がらと海の音』にはじまって、『ピアノの音』『せきれい』『庭のつるばら』‥‥、と何冊もあって、出てくる人たちがだんだん年をとっていく以外はどの作品でもほとんど同じことをしているから、
「えーと、これ読んだんだっけ、読んでないんだっけ」
と、いつもよくわからなくなってしまうんですが、そういうところもまたステキ。
ということで、この庄野潤三の「山の上」ものならば、
「自分の日常に近い本」
として、読書感想文にぴったりです。
何作もありますから、1回書いてしまえば、あとはタイトルだけすげかえて毎年同じ読書感想文を使い回せる(かもしれない)という利点もあります。

この庄野潤三以外にも、日常小説としては、尾崎一雄をはじめとする私小説系の作品(ただし、貧乏すぎたり痴情がもつれすぎたりして、わりと非日常なものが多い)、庄野潤三の友人の小沼丹(日本文学界随一の萌えキャラ、おぬまタンです)、あるいは最近の人なら、
椰月美智子『しずかな日々』
丹下健太『マイルド生活スーパーライト』
長嶋有『ねたあとに』
などがありますので、読書感想文に困ってる人は、ぜひ挑戦してみましょう。

(もっとも、実際に庄野潤三でこんな読書感想文書いてる中学生とかいたら、渋すぎてイヤだけど‥‥。)


posted by 清太郎 at 15:28| Comment(10) | TrackBack(1) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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