2008年12月22日

ハーレクインにする

「人は見た目が9割」なんて本がありましたが、本だって見た目は大切です。9割とはいかなくても、8割くらい。小畑健のイラスト、あるいは蒼井優の写真じゃなかったら、「人間失格」や「こころ」を手に取ることはなかった、という学生さんは多いでしょう。タイトルや内容がまったく同じでも、装幀が変われば、本の印象なんて、ガラリと変わってしまうものです。

ということで、お馴染みの本がたとえば、いきなりハーレクインの装幀になったら、どんな内容の本に見えることになるのか、考えてみましょう。

「夢をかなえるゾウ」

夢をかなえるゾウ

ベストセラーの自己啓発本ですが、ハーレクインの表紙にすると、あら不思議、
「ゾウのようにでっぷりと太って頼もしいあなたが、幸せな結婚というあたしの夢をかなえてくれたわ‥‥」
というデブ専向けラブストーリーに見えてきます。

「流星の絆」

流星の絆

これはもうそのままハーレクインのタイトルにおさまっていそうですね。「3年前、あの流星が降る夜、初めて愛を交わした直後に引き離された彼は、 二人の間に生まれた秘密を知らない‥‥」みたいな。

「おひとりさまの老後」

おひとりさまの老後

先日、娘に子どもが生まれ、「あたしもついにおばあちゃんね」とつぶやいたレイチェル。そんな彼女のもとに、ある朝、一通の手紙が届いた。それは、死んだ夫・ダンの友人、アーサーからのものだった‥‥。ひそやかな恋の予感。でも、でも、あたし、こんな年になって、それにまだダンのことだって、でも、でも‥‥。
という感じでしょうか。

「不機嫌な職場」

不機嫌な職場

スザンナは数年ぶりに外国からロンドンに戻り、社長秘書の仕事を手に入れた。しかし、雇主となるマックスは鼻持ちならない男性で、仕事を始める前にスザンナにこう警告した。君の前任の秘書はボスに恋して仕事を失った、と。心配いらないわ。彼女は心の中で言い返した。いくら人気雑誌で“結婚したい男性五十人”に選ばれたとしても、私はこんなうぬぼれ屋の男性になんかまったく興味がないわ。だが、ある日、マックスの意外な一面を知ったスザンナは‥‥。

「女性の品格」

女性の品格

女社長として日夜ビジネスの最先端で働いているキャシー。そんな彼女のもとをふと訪れたヒッピーくずれのフランス人、ポール。「君のからだは、冷たいシルクで覆われているんだね。その下に何が隠されているのか、この目で確かめずにはいられないんだ・・・・」。毅然として撥ね付けようとするキャシー。だが、意外にもたくましいポールの腕に抱かれ、容赦ないキスの洗礼をうけると、それまでおぼえたことのないエクスタシーを前に、彼女を覆う高貴な仮面は静かにすべり落ちていくのだった‥‥。

「生物と無生物のあいだ」

せいぶつと無生物の間

ああ、生物と無生物、その断絶を超えた禁断の愛が今ここに! 「あたし‥‥、マネジャーのジェイクのうちの‥‥、れ、れ、冷蔵庫が好きになってしまったの!!」 色白で頼もしい冷蔵庫との愛におぼれるシャノン。「オッオー! シャノン、きみはうちのキッチンで、いったい何をしてるんだい?」「ジェイクっ、違うのっ! これには、わけが‥‥!」 一人と一台の愛の逃避行が始まった‥‥!

ということで、見た目をハーレクインにするだけで、ハーレクイン的なロマンスあふれる小説だと勘違いして買っちゃう人が増えて、いいような気がします。(そうして間違って買っちゃって、
「シャノンはいつ冷蔵庫と出会うのかしら」
と読み始めて、途中で、
「やだ、この本、ハーレクインじゃないわ!」
と気づいても、
「おもしろかったので結局最後まで読んじゃいました」
ということになれば、読者層が広がります。)

単行本の小説は2年くらいすると文庫化しますが、文庫にする前に、とりあえずハーレクイン化してみるのもいいかもしれませんね。(文庫化した後でもいいけど。)

また、この「ハーレクインにする」がうまくいったら、
「ラノベにする」
「ジャンプコミックスにする」
「ポプラ社の昔の江戸川乱歩シリーズにする」
なども試してみるといいと思います。


posted by 清太郎 at 22:12| Comment(13) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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