2008年12月17日

2008読書界番付

はわわー。
ぼんやりしていたら、いつの間にかもう12月半ばではございませんか。2008年も残すところわずか2週間ですのよ! 奥様!
ということで年末恒例企画、今年も「読書界番付」をまとめてみたいと思います。
昨年と同様、
「どれだけ売れたか、だけではなく、話題性やインパクトの大きさ、将来性、私の個人的趣味といった各要素を勘案したうえで」
順位付けしています。ご意見・ご要望がございましたら、どうぞお寄せください。



読書界番付

西
B型自分の説明書 横綱 蟹工船
赤毛のアン100年 大関 源氏物語千年紀
ハリポタ最終巻 関脇 ジャケ買い狙いの夏文庫
小悪魔ageha 小結 あたし彼女
ル・クレジオ 前頭1 ブックファースト新宿店
国民読書年 同2 石井桃子
ケータイで読む電子書籍 同3 本棚本


いちおう順番に解説を加えておきますと‥‥。

横綱
・B型自分の説明書
・蟹工船
今年いちばん話題になった出版物といえば、両者のほかにないでしょう。どちらも、大手出版社が「仕掛けた」のではなくて、口コミ的なところからじわじわと広がったのが特徴的ですね。「B型自分の説明書」は、今となっては信じられないくらいですが、最初は1000部の自費出版でした。「蟹工船」も上野の本屋さんから徐々に話題になっていったもの。
それにしても、「B型自分の説明書」に続く「AB型」「A型」「O型」自分の説明書がちゃんとベストセラーになった一方で、「蟹工船」ブームにあやかった、柳の下のドジョウを狙う第二、第三の、
「蟹小説」
が出てこなかったのが不満です。数だけはどんどん出てるくせに、ここぞというときに「これ!」という本が出ないのは、出版業界全体の体力の衰えを感じさせます。

大関
・赤毛のアン100年
・源氏物語千年紀
今年前半は赤毛のアン100年、後半は源氏物語千年紀、という感じでした。どちらも各地で記念イベントが開催されたり、関連本がいろいろ出たりしましたが、いまひとつ、本を読む人だけの内輪の盛り上がり程度におさまってしまったような気がして残念です。
奈良にまったく興味のない人が、あのせんとくんのおかげで奈良遷都1300年に興味を向けたことを思うと、源氏物語千年紀においても藪内佐斗司先生にお願いして微妙なマスコットキャラをつくってもらえばよかったのに‥‥。
源氏物語、先月から刊行されている大塚ひかり訳の「源氏物語」(ちくま文庫)、もっとくだけてもいいかと思う文章ですが、本文に挿入された解説がわかりやすくて(特に、どこがどのようにエッチなのかについての説明)、いいです。

関脇
・ハリポタ最終巻
・ジャケ買い狙いの夏文庫
今年の夏休みを盛り上げた両者。
ハリポタ、昨年は原著の最終巻、今年は日本語版の最終巻でした。毀誉褒貶ありつつも、多くの子どもたちに読まれたハリポタ。完結した今、
「ハリポタもう読めないから、ほかの本でも読んでみよーっと」
という子どもが少しでも出てくれば、と思います。
夏の文庫は、昨年に続くマンガ家起用が話題になりました。荒木飛呂彦の「伊豆の踊子」とか小畑健の「地獄変」「こころ」とか。個人的には新潮のビビッド単色カバーが好みでしたが。
関係ないけど、フレデリック・ブラウンの古典的名作「天の光はすべて星」(ハヤカワSF)がいつの間にか美麗な表紙になっていて、心惹かれました。カバーデザインのリニューアル、大いに推奨です。

小結
・小悪魔ageha
・あたし彼女
ここを読んでおられる方のほとんどはご存じないと思いますが、「小悪魔ageha」はキャバ嬢のバイブルといわれている女性誌。創刊は2年前くらいですが、今年になって次々と雑誌休刊が相次ぐ中で、
「こんな雑誌が発行部数30万だなんて!」
ということで、注目されました。
「あたし彼女」も、ここを読んでおられる方のほとんどは直接読んだことはないと思いますが、第3回日本ケータイ小説大賞受賞作。
「アタシ

 アキ

 歳?

 23

 まぁ今年で24

 彼氏?

 まぁ

 当たり前に

 いる

 てか

 いない訳ないじゃん

 みたいな」
といった破滅的に強烈な文章が、ネットでもかなりネタになりました。

前頭1枚目
・ル・クレジオがノーベル文学賞
・ブックファースト新宿店開店
ノーベル文学賞は、もしかしたら村上春樹かも、なんてことも囁かれていましたが、ル・クレジオなら、まあしょうがないよねえ。っていうか、この人、まだノーベル賞もらってなかったのか。
ブックファーストは、昨年渋谷のお店がなくなってガッカリでしたが(跡地はどうなるのかと思っていたら、今話題のカジュアル衣料チェーンH&Mの渋谷店になるのね)、この新宿西口店に生まれ変わったんだね、と思うことにしました。改札からの距離を考えると、元の渋谷店より多少便利。建物も奇妙だし(丹下健三の義理の息子率いる丹下事務所のデザインです)。どこに何があるか、まだ把握しきれておりませんが‥‥。

前頭2枚目
・2010年が国民読書年に決まる
・石井桃子101歳で死去
「国民読書年」なんて聞いても、
「エッ、何それ!? 決まったって、誰がいつ決めたのよ」
と思われる方が大半でしょうが、6月の衆参両院の本会議で、「2010年を国民読書年に定める決議」が全会一致で採択されてたんです。「国民読書年」だなんて、いかにもアナログ、というかアナクロな響きですが、まあ一部の読書人として、支持いたします。
石井桃子が死んじゃった、というのは「読書界番付」よりもむしろ「読書界しょんぼり番付」のようにも思えますが、でも101歳の大往生なんだから、いいよね。プーさんやピーター・ラビットなど、彼女が翻訳した作品についても、少し話題になりました。

前頭3枚目
・ケータイで読む電子書籍
・本棚本
昨年盛り上がった「ケータイ小説」(ケータイ発の紙の書籍)は下火になりましたが、ケータイで読むケータイ小説やマンガはずいぶんと広まり、定着してきたようです。
本棚本というのは、作家や有名人の本棚を紹介する本ね。ヒヨコ舎の「本棚」「本棚2」をはじめ、「本棚三昧」「書斎の達人」などが立て続けに出ました。

‥‥っていうか、これだけで終わり? 昨年は前頭6枚目まであったのに、ちょっと少なくない?
そう、そうなんですよねー。もちろん他にも話題になったものとして、

・東野圭吾がベストセラー独占(流星の絆、探偵ガリレオシリーズ、容疑者Xの献身)
・楊逸が芥川賞受賞
・good!アフタヌーン、少年ライバルなど新漫画誌創刊
・夢をかなえるゾウ
・オリコンによる書籍の週刊ランキング提供開始
・ブックオフ、経営破綻した青山ブックセンターを取得

などいろいろありますが、なんだかあんまりピンとこない。東野圭吾はあんまり好きじゃないし、楊逸は「日本語が母語ではない作家が初めて芥川賞受賞」ということで話題になったけど、その程度の話題性ならむしろリービ英雄読もうよ、と思うし、good!アフタヌーンや少年ライバルは創刊後ちゃんと売れてるのかよくわかんない。といったような感じで、いずれも幕下以下とはいいませんが、十両レベルのような気がして、番付からはずしました。

ようするに、こうしてあらためて振り返ってみると、今年の読書界って、去年に比べて全体的に何だかしょんぼりなのです。うーむ、こうして出版業界は凋落していくばかりなのかなあ。
番付をつくって盛り上がろう、と思ったのに、なんだか寂しくなってしまいました。これでまた昨年同様に「読書界しょんぼり番付」をつくったら、さらに悲しい気持ちになってしまいそうです‥‥。


posted by 清太郎 at 12:53| Comment(4) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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