2007年01月24日

痴漢に間違われないためには

周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」が話題を集めていますね。私はまだ見てないんですけど(っていうか、「Shall we ダンス?」も見てないんですが)。この作品を契機に、あらためて電車の中の痴漢問題や日本の司法制度について考え直さなくちゃ、という人も多いようです。

司法制度はさておき、痴漢のほうなんですが、冤罪を防がなくちゃいけないからって、まあコトがコトだけに被害者の不利になるような仕組みができてはダメだと思うし、そもそも痴漢に犯罪現場を提供している鉄道会社がもっと何かアクションを起こすべきなんじゃないか(女性専用車両なんてのでお茶を濁さないで)、とも思うのですが、ここでは「本読みHPブログ」というサイトならではの提言をひとつしておきたいと思います。

車内での痴漢冤罪に対する抜本的な防御策。ずばり、
「車内では、男はみんな、本を読め」
これで、どうでしょう。
「本、しかも、薄っぺらい文庫本なんかじゃなく、ハードカバーを両手で持って読む」
両手を上げて本を持ってるんですから、手がもう1本か2本あるんじゃないかぎり、物理的に痴漢は不可能です。これなら痴漢に間違えられようはずもなく、冤罪が発生することもありません。

そうです、痴漢冤罪が旬の話題になっている今こそ、われらが本がクローズアップされるべきなのです。この好機に、出版社は何をやってるんでしょうか。ここぞとばかりに、攻勢に打って出るべきです。込み合った車内で、本を読んでたおかげで、痴漢と間違われずに済んだ、ホッ、なんていうような印象的なCMをつくったりなんかして、
「車内で本読もうキャンペーン」
をドンドンおこなって、
「本を読んでない男は、痴漢だと思え」
なんていう雰囲気をつくりだしちゃう。一方で、両手で持ちやすいように、両脇にハンドルがついたブックカバーを売りだしたりなんかして。

そうして、たとえどんなにすさまじいラッシュ時だろうと車内の男性全員が一心不乱に本を読んでいる、という状態になれば、乗りあわせた女の人は痴漢に遭わなくて済むし、そのうえ、
「ギュウギュウ詰めだから、こんなときに本を取りだしちゃ、周りに迷惑だよね、しかたがない、降りるまでガマンするか、あーあ、続きが気になる‥‥」
などという思いをすることもなくなるでしょうから、私もうれしいです。
posted by 清太郎 at 16:37| Comment(7) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月18日

大本営コメディ

ニュースを見ていたら、ヒトラーをパロディーにしたドイツ映画「マイン・フューラー(わが総統)」が同国で封切られて人気なのだそうで。

監督はスイス生まれのユダヤ人、ダニ・レビ。戦争末期、ヒトラーに力強い新年演説をさせるため、側近が強制収容所からユダヤ人俳優を仮釈放して演技指導させる、という話。演技指導中にヒトラーが殴り倒されたり、理容師が自慢のちょびひげを半分そり落としちゃったり、なのだとか。

意外にも、「“加害者”ドイツで風刺作品を制作することはタブー」だったそうで、ドイツ本国でこの手のコメディがつくられたことはなかったみたい。おもしろそうに見えるけど、「地元メディアは「冗談に徹していない」とこき下ろし、ドイツのユダヤ人組織、ユダヤ中央評議会の事務局長は「(ヒトラーを攻撃するのではなく)哀れな人間として共感を呼ぶ内容になっている」と批判している」らしいです。

ところで、そうやって「意外にも」と思ったのだけど、考えてみれば、同じような立場にある日本でも、やっぱりそんなコメディは見当たらない。負けがこんでからの大本営なんて、
「わー、空母3隻撃沈されちゃったって!」
「どひゃー」
「国民には、何て言っとこうか」
「さすがにこれ正直には言えないよねー」
「うーん、そうだ、こっちがアメリカの空母3隻撃沈したことにすれば」
「お、ナーイス、さすが、そうしよっと」
「む、ちょっと待て」
「あ、やっぱ、マズイっすか」
「いや、どうせウソなんだから、3隻だなんていわず、5、6隻にしておけ」
「ついでに戦艦も2、3隻」
などと、かなりのコメディ的状況のはずだから、ずいぶん笑える内容になるだろうに。「それでもボクはやってない」の周防正行監督とか、あるいは三谷幸喜あたりが映画をつくったら楽しいんじゃないかしら。まあヒトラーに比べると東条英機とかはいまひとつキャラが弱いのと、天皇がからむとややこしくなるから、難しいのかもしれないけど。
映画じゃなければ小説では?とも思うけれど、そもそも今の日本に上質なコメディ小説を書ける人がどれほどいるか、と考えると、あらら、その段階ですでに挫折。あるいは演劇の方がふさわしいのかしら。と思うと、井上ひさしがすでにつくってそうな気もするし‥‥。はて。

微妙なテーマではあるけれど(おそらく中国人や韓国人がこうした作品をつくっても――もうたくさんあるのかもしれないけど――日本では受け入れられないでしょうね)、何かひとつでも、優れた作品を味わってみたいものです。
posted by 清太郎 at 17:01| Comment(2) | TrackBack(1) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月16日

直木賞、該当なしですか‥‥

そんなわけで、予想大ハズレで、今回の直木賞は該当作なし、でした。なんだよー。つまんない。
荻原浩なんか、もうちょっとしたら「今さら直木賞といわれてもねえ‥‥」という北村薫と同じくらいのベテランになっちゃいそう。佐藤多佳子の『一瞬の風になれ』は、この落選のおかげで、本屋大賞に一歩前進、なのかな、という感じです。

しかしその本屋大賞も、去年は『東京タワー』が受賞しちゃったりして、なんだかなー、だもんねえ。女子中学生がTVドラマの人気投票をしてるんじゃないんだから、なんかもうちょっと、ひねりのきいたというか、玄人っぽい作品を選出してもらいたいものです。「一般の人にはあんまり知られてないんだけど、書店員の間では、これがオモシロイ!とひそかに読まれているんです‥‥」というような、たとえば、
「800人のシェフが選ぶ! 日本一のまかない飯」
みたいな感じの。とにかく、「これまで、まかない飯だったけんだけど、一部の常連さんに出したところ大評判だったんで、正式なメニューに載せることにしたんです」という「お得感」、これがほしい。

昨年の本でいえば、
『ドリアン――果物の王』塚本裕一(中公新書)
なんかが、まかない大賞の候補です。タイトルからして、「無冠の帝王」っぽい。あ、それなら、大賞を受賞しちゃダメか。
posted by 清太郎 at 23:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月15日

ねおき賞創設

明日16日は、第136回芥川賞・直木賞の選考会が行われます。今回の直木賞候補は、次の通り。
・池井戸潤『空飛ぶタイヤ』(実業之日本社)
・荻原浩『四度目の氷河期』(新潮社)
・北村薫『ひとがた流し』(朝日新聞社)
・佐藤多佳子『一瞬の風になれ(1〜3)』(講談社)
・白石一文『どれくらいの愛情』(文藝春秋)
・三崎亜記『失われた町』(集英社)
ここ数年、文藝春秋ではない作品だけが受賞するのは稀なことから、白石一文がかたくて、残りの1ワクを荻原、北村、佐藤が争う、という感じなのかもしれませんが、それはそれとして。

ノーベル賞に対して、「イグノーベル賞」というのがありますよね。「ノーベル賞」に「ignore」の「ig」をつけて、「ignoble(恥ずべき、不名誉な)」をかけたネーミングで、最近はずいぶん知名度も上がってきました。2006年の数学賞に「集合写真を撮る際に誰も目をつぶっていない写真を撮るためには、何人いる場合は何枚撮れば確実か」を計算した研究者が受賞したりとか、日本人でも2005年にドクター中松(栄養学賞)、2004年にカラオケを発明した人(平和賞)が受賞したりとか、いろいろしてます。

で、ノーベル賞に、このイグノーベル賞があるんだから、日本でいちばん有名な文学賞でもある直木賞にも、イグノーベル賞にあたるものがあってもいいんじゃないでしょうか。
題して、直木賞ならぬ、
「ねおき賞」
なんていうのは、どうでしょう。対象となるのは、
「寝起きでぼんやりしてるときでも、どんどん読めてしまう小説、そして寝起きのぼんやりしてるときにはすばらしくおもしろく感じられてしまう小説」
です。
そして、ジャジャーン、記念すべき第1回ねおき賞候補作は‥‥、荻原浩『四度目の氷河期』(新潮社)、北村薫『ひとがた流し』(朝日新聞社)‥‥、あ、いかん、直木賞候補とダブってしまった。
posted by 清太郎 at 12:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月12日

本屋さんで「バラバラ殺人フェア」

更新のないまま、もう終わりか、と思われていたこのブログですが、いや、ごめんなさい、ちゃんと書きます(といいつつ、えーと、このブログ、書き込むのはどうやってすればいいんだっけ?と頭をひねってしまった。久しぶりすぎ)。

ここしばらく、新聞やテレビを賑わせているのが、バラバラ殺人ですね。妹殺してバラバラにしたり、夫を殺してバラバラにしたり。流行りなんでしょうか。
ともあれ、こうしてバラバラ殺人がブームになっているんですから、本屋さんでも思いきって、
「バラバラ殺人フェア!」
を企画すると、それなりに本が売れるんじゃないでしょうか。ミステリや犯罪実録物なんかをメインに東西硬軟とりまぜて、ひと棚つくってみるの。キャッチコピーは、
「殺しちゃってから読んでは遅い! 殺す前に読んでおこう!」
というような感じで。
ラインナップとしては、
・『占星術殺人事件』島田荘司(講談社文庫)
・『魍魎の匣』京極夏彦(講談社文庫)
・『ヴィオルヌの犯罪』マルグリット・デュラス(河出文庫)
・『やっとかめ探偵団とゴミ袋の死体』清水義範(祥伝社文庫)
・『イノセント』イアン・マキューアン(早川書房)
・『図説 人体博物館』養老孟司監修(筑摩書房
ほかに江戸川乱歩『盲獣』とか桐野夏生『OUT』とか宮部みゆき『模倣犯』とか龍田恵子『日本のバラバラ殺人』とか、バラバラ殺人物なんていくらでもありそうだから、どれだけセンスよくまとめられるかが、書店員の腕の見せ所です。

っていうか、どれだけ品がよかろうと、苦情殺到だろうね‥‥。不謹慎なネタでした。
posted by 清太郎 at 19:56| Comment(10) | TrackBack(1) | 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。