2005年10月31日

国民の数学離れに歯止めをかけるために

読売新聞の世論調査によると、中高年の「本離れ」が進んでいるそうです。この1カ月間に本を読まなかった人は52%で、世代別に見ると20代・30代が各41%であるのに対して、50代は55%、60代は61%、70代以上は66%だったのだとか。
活字離れに歯止めをかける方法では、「『読書の時間』を学校の授業科目にする」の40%が最も多かったそうですが、そんなことしたら、もっと本離れが進みそうですよね。実際、学校の科目になっている数学やら理科やらに、卒業してからも日常的に親しんでいる、という人はほとんどいないでしょうし。

しかしあらためて考えてみると、「本を読む」ということは何やら知的なことのバロメーターのひとつになっているけれども、ほとんどの人が漢字もカタカナもひらがなもマゼコゼの週刊誌やら新聞やらマンガやらを読むことができる現代にあっては、単に「本を読む」ということにどれほどの意味があるのか、疑問です。
国民の知性をアピールするためには、むしろ本なんかじゃなくて、数学とか理科とかを重視してはどうでしょうか。

世論調査で、
「この1カ月に、どのくらい数学の問題を解きましたか」
などという質問をすると、30代以上では、
「1問も解いていない人が98.7%」
というような結果が出るわけで、これはもう少しわかりやすくいうと、
「平均的な女子中学生の300分の1以下のレベル」
ということであり、これはもう、
「国民の数学離れが甚だしく進んでいる、と結論付けざるを得ない」
という由々しき事態なわけで、この事態に対する抜本的な解決案としては、
「『数学の時間』を学校の授業科目にする」
ということができない以上、日常生活の中に無理やり数学を溶け込ませるしかありません。
たとえば、携帯電話を使うためには毎回変わるパスワードを入力しないといけない、ということにして、そのパスワードは、
「画面に表示される数学の問題の答え」
ということになれば、イヤでも問題を解かないわけにはいきません。みんな電話の裏側に解の公式とか数列の和の公式とかを書き込んでがんばります。
「ちょっとタカシ、昨日どうして連絡してくれなかったのよ!」
「ごめん、三角関数の問題が解けなくて‥‥」
などということになると、かっこわるいですし。
いずれ、これが数学以外にもいろいろな分野に応用されるようになり、
「テレビを見るためには力学の問題を解く必要がある」
「トイレの水を流すのには都道府県の県庁所在地を入力する必要がある」
などということになると、「国民の知的レベル」はどんどん向上することと思います。加えて、いわゆる「ユビキタスコンピューティング」もどんどん進展することと思います。そのかわり、社会全体の生産性は著しく下降すると思いますが。
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2005年10月26日

フルーツバスケット〜水滸伝

マンガの『フルーツバスケット』が、米国で人気なのだそうです。『鋼の錬金術師』や『NARUTO』を抜いて堂々のトップ。この作品の何がどう好まれているかよくわかりませんが(筋肉ムキムキのキャラもいないし)、それ以前に根本のところで、設定がちゃんと理解されているのか、ということが気になります。
私自身、この作品は途中からしか知らなくて、しかもあんまりちゃんと読んでないので、いまだにキャラがゴッチャだったりしますが、とにかく干支の呪いを受けている草摩の一族の皆さんは、異性に抱きつかれると牛とか馬とか羊とか、獣に変じてしまうのです。
で、その干支。英語版のオフィシャルサイトを見たら、「Chinese Zodiac」として、十二支それぞれの説明が書いてありましたが、そもそものChinese Zodiacとは何ぞや、ということが、中国文化圏外の人にはわかんないような。
と思ったのだけど、当の日本人だって、あらためて「十二支って何ですか」といわれると、よくわかんないから、ま、いっか。

それはそれとして、日本人は昔から中国の漢字で書いてあることを勝手な日本語読みをして理解したつもりになっていますが、アルファベットの文化の中で育った人は、そういうわけにはいきませんよね。漢字を知っていれば、その漢字の意味がわかんなくとも読むことができますが、漢字を知らなければいちいちその意味を翻訳しなければいけません。

何が言いたいのかというと、たとえば「水滸伝」を読もうとしたらどうなるのか。日本では「黒旋風 李逵」「豹子頭 林冲」を「コクセンプーリキ」「ヒョーシトーリンチュー」と読んでますが、英語なら、まあ名前の方はフェイ・ウォンとか何とか中国語の発音をそのままアルファベットに置き換えればいいといて、あだ名をどうするのか。「黒旋風」は「黒い旋風」、「豹子頭」は「豹の頭」などと、それぞれ意味をとって翻訳しないといけません。

108人それぞれに、具体的にどういう訳語が当てはめられているかは、ネットで検索してみればすぐわかるんでしょうが、ちょっとおもしろそうなので、主なキャラについて考えてみました。

黒旋風 李逵 Black tornade
豹子頭 林冲 Panther head
九紋龍 史進 Nine doragons
呼保義 宋江 Justice bringer (しかし「呼保義」ってそういう意味なのかしら。義は正義というより仁義とか信義? あるいは「及時雨」だからRain bringer)
双鞭 呼延灼 Double rods
入雲龍 公孫勝 Dragon in a cloud
大刀 関勝 Great sword
白面郎君 鄭天寿 White mask
花和尚 魯智深 Flower monk (でも「花」は刺青のことだよね。でもTattooedでは雰囲気が出ないし)
智多星 呉用 Star of intelligence
行者 武松 Pilgrim (でもこれでは武松のイメージとは違うなあ。エピソードからTiger slayerとか)
一丈青 扈三娘 Ten feet blue (青って、どんな意味なんだっけ)

こうやって見てみると、なんだかちょっと、「ジョジョ」のスタンドみたいですね。
「いけえっ、スターオブインテリジェンスッ! オラオラオラオラオラァッ!」
なんていうの。
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株式会社ジオン

さっき本屋さんで本を買ったら、レジに並んだ隣のオバチャンが領収証をもらっていて、
「お名前はどういたしましょうか」
「前カブで、カタカナで、ジ・オ・ン、でお願いします」
おお、株式会社ジオン!
何の会社だか知らないが、かっこいい。
やっぱり、あれなんだろうか、創業者を元部下が追っ払って乗っ取っちゃったりしたんだろうか、その創業者の息子が素性を隠して勤めてたりするんだろうか、社長とか部長ではなく、
「総帥」「閣下」
と呼んでるんだろうか、就職希望で面接に来た20〜30代男性の8割は、
「うちに来たいというのは、どういう理由で?」
「は、御社の社名に惹かれまして‥‥」
と答えるのだろうか、などといろいろ考えてしまいました。
調べてみたら、マイグレーションだか何だかIT系の会社か、あるいは飲食業のコンサルティング会社なのね。婦人服の株式会社ジオン商事なんていう会社もあるみたい。
ちなみに「株式会社地球連邦」「株式会社エゥーゴ」「株式会社ティターンズ」「株式会社ネオジオン」は、ありませんでした。
posted by 清太郎 at 00:00| 言葉ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

ベビーエロ

昼ドラの「貞操問答」を今日はじめて見ました。
「真珠婦人」もすごかったけど、こちらもすごい。さすが菊池寛。没後半世紀にして、あらためて、ある意味まっとうな評価をされている気もします。
「貞操問答」というそのレトロなタイトルからしてもう興奮ものなのだけど、セリフの端々が、またなんともたまりません。
「この女郎蜘蛛!」
と罵ったりとか。むふう。

とりわけすごいのが、これ。ヒロインのシンコさん(漢字がわからん)の妹は、子どものころから「お姉さまのものを欲しがってばかりいた」のだけど、とうとうその姉の恋人を、ああ、なんと、
「ベビーエロの魅力で魅惑」
しようとしちゃったりするのです。
「ベビーエロ!」
ああ、もう、よくわかんないけど、すごい。インパクトに満ちた語感。私もいっぺん「ベビーエロ」の魅力に誘惑されてみたい。

もはや手垢のついた「ロリータ」に代わって、この「ベビーエロ」に何とか流行ってもらいたい気がします。
posted by 清太郎 at 00:00| 言葉ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月21日

前項の追記

いや、しかし、冷静になって考えてみると、本屋さんのサービスカウンターで、係のお姉さん(20代・未婚)に対して、
「すみません、本を探しているんですが」
「どのような本でございますか」
「赤ちゃんがどこから来たのか、わかる本を」
これはセクハラというか変態というか、そういうことになってしまう。係のお姉さんは本の案内をするかわりに、警備員さんを呼ぶはずだ。

あ、でも、必ずしもセクハラで変態というわけにはいかないか。自分の子どものために、真面目にそういう本がほしいのかもしれないし。やっぱり、キチンと、
「それでしたら、那須正幹の『赤ちゃんはどこから生まれるのか』(国土社)などがございますが」
と対応するのだろう。
考えてみれば、サービスカウンターの若くてかわいい女子店員さんに、
「この本、探してるんだけど」
といって「愛欲の放課後メガネっ娘大作戦(フランス書院)」などと書いたメモを渡したりして喜んでいるヒヒオヤジは全国に推定3,500人くらいいそうだから、「赤ちゃんはどこから来たのか」なんて、かわいいもんである。
いや、むしろ、
「何故に僕らは生きているのか、その理由がわかる本を探しているんですが」
などと訊かれるよりも、扱いやすい気もする。
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2005年10月20日

サァー本屋さんへ行こう!

読書週間(キャッチフレーズは「本を読んでる君が好き」)を前にして、本屋さんの店頭で流すための音楽CDが作成されたそうです。タイトルは「サァー本屋さんへ行こう!」。軽快なテンポの曲で、書店のBGMや各種イベントでの活用を見込んでいるとのこと。
こんなのです。

「サァー本屋さんへ行こう!」
   作詞=よしもとももたろう/坂田おさむ 作曲=坂田おさむ

サァー本屋さんへ行きましょう 本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってる きっと答えが待ってる
流れる雲に 乗ってきたよ 青い空の想い出を抱いて
子供達の笑い声は どこから来たの どこへ行くの
だから 僕らは 理由(わけ)を 探してる
風の行方をみんな探してる

サァー本屋さんへ行きましょう 本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってる きっと答えが待ってる
ま白い雲に乗ってきたよ 新しい空に旅立つために
なつかしい唄はどこで生まれたの 何故に僕らは生きているの
だから 僕らは 理由(わけ)を 探してる
風を明日の友達にして

*サァー本屋さんへ行きましょう 本屋さんへ行きましょう
本屋さんで待ってる きっと答えが待ってる*
*繰り返し

この歌が流れているのを聴いたことがないのでよくわかんないのだけど、スーパーの鮮魚売場の「さかなの歌」、あるいはパスタ売場の「たーらこー、たーらこー、たーっぷーりーたーらこー」の歌のように、えんえんと「サァー本屋さんへ行きましょう、本屋さんへ行きましょう」と日がな一日流れ続けているのでしょうか。私だったら、そんな本屋さんには、行きたくありません。

それはともかく、この歌の内容、ちょっとどうかと思うのだが。ホントにみんな、そんな理由(わけ)を探して本屋さんに行くのか。本屋さんは、それにちゃんと応えてくれるのか。
たとえば、サービスカウンターで、
「すみません、本を探してるんですが」
「どんな本でしょう」
「なつかしい唄がどこで生まれたのか、わかる本を」
これなら大丈夫だ。
「それでしたら、平凡社新書から『謎とき名作童謡の誕生』、それに文春新書から『「唱歌」という奇跡 十二の物語』という本が出ています」
と、お客さんには胸を張って答えられる。
あるいはまた、
「すみません、みんなで探してるんですが」
「何をでございましょうか」
「風のゆくえを」
これもいい。
「ああ、栗本薫のグイン・サーガ23巻『風のゆくえ』でございますね。それでしたらハヤカワ文庫の棚に‥‥」
よし、問題ない。
しかし、
「すみません、本を探しているんですが」
「どのような本でしょう」
「何故に僕らは生きているのか、その理由がわかる本を」
これはなかなか難しいリクエストだ。ここで宗教とか精神世界関連の書籍をすすめるか、レヴィナスとかの哲学本をすすめるか、生命科学の本をすすめるか、あるいはまたドストエフスキーとか大江健三郎とかをすすめるか、書店員のセンスと見識が問われるところだろう。(私ならとりあえず、梨木香歩の『沼地のある森をぬけて』(新潮社)をすすめておきたい。昨日読んだばかりなので。)
しかし、こういう場合はどうなのか。
「すみません、本を探しているんですが」
「どんな本ですか」
「子供達の笑い声が、どこから来たのか、どこへ行くのか。その理由がわかる本を」
「‥‥」
これは困る。単に「子供達はどこから来たのか」だけであるなら、性教育関連本でもいいような気がするけど、「笑い声」、しかも「どこへ行くのか」だもんなあ。まいった。全国の書店員さんも、大いに頭を悩ませることだろう。
そうして悩みに悩んだ末、
「こんな変な歌詞つくるからダメなんだ」
ということになって、1カ月くらいしたら、「サァー本屋さんへ行こう!」は改訂されて、1番の歌詞はちょっと変更されて、

本屋さんで待ってる きっと答えが待ってる
流れる雲に 乗ってきたよ 青い空の想い出を抱いて
赤ちゃんは どこから来たの どうやって生まれるの
だから 僕らは 理由(わけ)を 探してる

というようなことになるかもしれない。
posted by 清太郎 at 00:00| 本ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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