「今、アメリカの大学でライブラリアンと呼ばれる職業が絶滅しつつある―デジタル化がもたらしたもの?」
という記事が載っていました。今更? というか、だから何? というか、ほぼ無料貸し本屋と化している日本の多くの図書館において、何かしらの変革をしない限りいずれは司書がただの倉庫番か「レジの人」になっちゃいそうなことは、ネットで調べものをするのが当たり前になったころから、わかりきっています。
将来(それも比較的近い将来)、司書はどうなるのか。司書に未来はあるのか。
真面目に考えると気が滅入るこの問題に対して、何かしらの示唆を与えてくれるのが、現在放映中のアニメ「戦う司書」です。
この作品は、
「人が死んだら本になっちゃう、という世界で、その本を管理する司書が無敵の武装集団となって、あやしい悪の教団と戦う」
という話で、タイトルから想像していた内容とはぜんぜん違っていたので第1回しか見てないのですが、それはそれとして、「戦う司書」、つまり、
「司書だけど、戦う」
という点こそが、閉塞感に悩む司書たちにとって、打開策のヒント、一条の光であるように思うのです。
そう、司書がこれまで通りの司書である限り、未来は見えない。それならば、司書+αの存在となることで、差異化できないか。そうすることで、司書としての生き残りをはかることはできないのか、ということです。
ただし、いうまでもなく、いくら差異化したところで、+αの「α」が、司書と同じくらい希望のないものでは、あまり意味がありません。
「フリーターの司書」
「新聞勧誘員の司書」
「植字工の司書」
などでは、ただの司書のほうがまだマシといわれてしまいそうです。
では、どのような「司書+α」になればよいのでしょうか。いつものように、考えてみました。
「耕す司書」
司書だけど、農家。
重い本を運び続けているうちにいつの間にか鍛えられた強靭な腰と手足は、すでにあらゆる肉体労働に対応できるはず。今年になって雑誌で特集されたりして農業がブームになってますが、司書であれば、鋤を振り上げて田畑を耕すなんて、お茶の子さいさいです。
図書館には農業関係書籍がバッチリ揃ってますから、農業について知識がなくても大丈夫。とりあえず自分の食べるものだけでもつくれるようになれば、将来、図書館がつぶれても安心です。
そうして、ときどき利用者さんが本を借りにきたら、
「おお、ちょっと待っててくんねえべか」
といいつつ(なぜか方言)、土にまみれた手を洗って、カウンター業務をしたりすると、なんだか素朴でステキです。
また、このごろは「顔の見える野菜」が流行っていますから、つくった野菜をカウンターのわきに置いておけば、利用者さんが喜んで買ってくれるでしょう。
「看護する司書」
司書だけど、看護婦さん。
肉体労働といえば、看護士さんもそうですね。
医療系の仕事は今後ますます需要が増えるばかりでしょうから、とりあえず将来も安泰です。
また、図書館の利用者は今後さらに高齢化が進むばかりですから、司書さんが看護士であれば、万が一、
「利用者さんが倒れた!」
「発作が!」
「脳卒中!?」
といった場合に、迅速・的確に対応できます。安心・安全な娯楽場として、図書館の地位向上にも役立つはずです。
もちろん、制服は白衣で。ズボン不可。スカートのみ。そうすれば、お年寄りばかりでなく、若い男子の利用客も増加することでしょう。
「祓う司書」
司書だけど、巫女さん。
比較的幅広い層に愛好されている看護婦さんに比べると、ややマイナーな巫女さんですが、それだけに、
「巫女さんのためなら、オレ、もう、毎日通います!」
という、少数ながら力強いファンに恵まれています(たぶん)。司書さんが巫女さんになれば、熱心なリピーターが増えるはずです。
また経済的にも、ときどきカモになりそうな利用者に対して、
「あっ、あなたの背後に、悪しき霊が‥‥」
などといって、お祓い料をせしめることで、司書としての収入の不足を補えます。
「奉仕する司書」
看護婦さんも巫女さんもいいけど、まずは基本(?)として、メイドをおさえるべきかもしれません。
メイド服を着た司書さんたちが、ずらりと並んで、
「おかえりなさぁい、ご主人様!」
と利用客を迎える図書館があれば、
「料金を払ってでも、利用したい」
というファンも多いはずです。
またメイドであれば、これまで利用者の無理難題に応えてきたサービス業としての司書のスキルがそれなりに役立つことでしょう。
「ご主人様、今日はどんな本をおもちいたしましょうか」
ということになれば、今までほとんど役に立たなかったリファレンスのスキルも活用できます。
「いもうと司書」
ただ、最近は猫も杓子もメイドですから、もうメイドは飽きた、という人も多いかもしれません。
むしろ、なんだかよくわかんないけど人気らしい、
「妹」
で攻めるべきかもしれません。
入館した利用者さんを、
「おにいちゃあん!」
と迎えるのね。
「おにいちゃん、本、借りてってぇ」
と甘えたりして。
利用者は、「もう、しょうがないなあ」とか何とかいいつつ、まんざらでもない気持ちで、本を借りていきます。
「ツンデレ司書」
妹があるなら、萌え属性として不動の人気を誇る「ツンデレ」もありでしょう。
真っ赤になって、そっぽを向きながら、
「べ、べつにアンタに本貸したいわけじゃ、ないんだからねっ!」
と、本を差し出したりして。
‥‥って、なんだか、当初予定した「司書+α」とは、ぜんぜん別物になってしまった。あいかわらず、司書の未来は見えないままでした。ダメじゃん。
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